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狂愛  作者: まろん
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狂愛1

今回は狂ってる系。

お帰りなさい!

今日もお疲れ様。

ご飯は愛を込めて作ったわ。

それとも、お風呂がいいかしら?

……もしかして、私?


そんな言葉は今日も貴方には届かない。ああ、とか言ってベッドに行ってしまうの。でも、いいの。イイノ。ダッテアナタダカラ。私、貴方の事大好き!

知らないキスマークがついていても、うちのと違うシャンプーの匂いがしても、私を見るたび冷たい視線でも、ダイスキ!大好き、だいすき。

でも、どうしてだろ。その一つ一つに出会う度に目からお水が出てきちゃう。心がキュッとする。


あれ、ココロってなんだっけ?


SNSにはお弁当を毎日のせているけど、ここ一年程は持っていってもらってないなぁ。

お休みの日は朝からいないの。帰ってきたらまた寝てしまうの。今日はアナタの好きなオムライスだったのに。『大好きなダーリン♡』って書いたのに。


あれ、今日はケツエキが出てきちゃった。


体はだんだん重くなってきて、動かなくなっていってしまったの。早く治さなきゃ。私のダーリンが待ってるの。マッテル?待ってる。


家に戻ってこないのに?

うんうん!私のダーリンだもの!


治そうと思うほどに治らない風邪を引いていたある時、電話が入ったの。

「奥さん、落ち着いて聴いて下さい。……命に別状はないのですが、旦那さんが階段から落ちて記憶を失ってしまいました。」

え、そうなの?

目の前は暗くなっていき、私の口角はアガッテイク。

早ク行かナくちゃ!

入院に必要な服や医療証を持って病院に急いで行ったの。そこには、聴いた通りに記憶を失っているダーリンが居た。

「申し訳ありません。こんな可愛い奥さんがいておきながら、忘れてしまうなんて。」

とてもすまなそうに謝るダーリンの目はまっすぐこちらを向いていたの。私の事可愛いって言ってくれたの!


記憶喪失は悲しいはずなのに、ウレシイ?


記憶を失ったダーリンは優しくしてくれたの。まっすぐこちらを向いて、優しげに笑いかける。手を握ってくれて、ハグしてくれて、キスもしてくれる!知らないキスマークは無いし、私と同じ匂いがするの。風邪も治ったの。


分かった。これがホンモノなのね!

お帰り、ダーリン。


だんだん心が戻ってきたの。世界に色が戻ってきたの。これが私のユートピア!

でも、不倫相手の女が来ようとしていたの。ダメよ!私のダーリンを、取らないでちょうだい?

私がそうお願いすると、血を噴き出させながらタオレテイッタワ。分かってくれて、ありがとう!他の人にも、邪魔をする人がいたらオネガイシヨウ!


ダーリンは少し後遺症が残ってしまったみたい。大丈夫、私がお世話してあげるわ!

それが私の生きる意味だもの!ダーリンのためならなんでもできるわ。

大好きダイスキ大好きダイスキ大好きダイスキ大好きダイスキ大好きダイスキ大好き♡


今日も、私の元へ帰ってくるわ!

ガチャ

「ただいま!私の可愛い奥さん。」

「お帰りなさい、ダーリン♡」

帰ってきたダーリンを好き好き!って抱きしめた私は、久しぶりに私をまっすぐに見た時の事を思い出したの。


ダーリンを階段から突き落とした時の事を。


えへへ、私って狂っているのかしら?でも、私の事を好きじゃないダーリンなんてダーリンじゃ、無いわよね。治してあげなきゃいけなかったの。ダーリンのためだもの、仕方ないわよね!

ずっと一緒よ?ダーリン♡


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