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異世界の片隅シリーズ

異世界の片隅で、貴方と

作者: かなう
掲載日:2021/04/10

初投稿です。

ゆる〜い設定で、ゆるっと書いたので深みはありませんが、少しの楽しみになれば幸いです。

目が覚めたら、そこは異世界でした‥‥。


いや、本当に勘弁してください。

何事ですか?


いや、普通に仕事終わって、家に帰ってベッドに潜りこんだよね?


何で、そこら中に可愛いモフ耳や、可愛い尻尾を持つ、可愛いモノたちが闊歩してるわけ?


これは、あれか。

過労死したのか?

そこからの、異世界転移パターンなのか?


もやは現実逃避しか成す術のない私。


ぼーぜんと大通りを眺めて佇む姿に、何かを察知したモフ耳な男性が近寄ってきた。


く‥クマさんかな?


「失礼、お嬢さん。

違ってたら申し訳ないが、もしかして違う世界からの来訪者かな?」


でかっ!身長どのくらいあるの?

首が痛くなる程見上げた先にある、イケメンなお顔を眺めつつ、取り敢えず答える。


「ちょっとよく分からないけど、たぶん?」


「ふむ、やはり迷い人か。

たまに君の様な、こちら側にくる者がいる。

その場合は、保護する事になっているが‥。

君は身を寄せる場所はある?」


「‥いえ」


「では保護対象として、身を預かろう。こちらだ」


優しく微笑んで、促された。

茶色の髪に、涼やかな青い瞳。うむ、イケメン。眼福です。


そして、ほてほて歩き出す。


しかし迷い人?何か迷子みたいな扱いだなぁ。

って事は、うっすら期待したチートな能力とか無いパターン?


ふふ、何を隠そう、異世界モノのラノベは大好物なのだ!

なーんて、アレやコレやと考え現実逃避を続行させていると、クマさんが再び話しかけてきた。


「名は何という?

俺はライル。この街で警備を担当している。

迷い人ならば馴染みがないと思うが、熊の獣人だ」


「あ、私は‥ええっと。ましろっていいます」


おお!やっぱりクマさんか!

クマの獣人らしく、すこぶる体格がいいのに穏やかな物腰に、私も現実逃避をやめて答える。


ライルさんが言うには。

異世界から来た迷い人は、人生に疲れた人が多いんだって。ほっといて。


で、向こうの世界の知識は、こちら側で有益なものもあって、迷い人は概ね歓迎されるらしい。


でも、色々あって疲れている彼らには無理を強いず、取り敢えず衣食住を提供し、心身を癒す事から始めるって。

ここは天国か!?


そんな異世界事情を聞きながら、歩くこと15分あまり。


何やら、ゴージャスな館の前に到着しましたよ?


「ここが俺の住処だ。

ましろの住居ともなる。遠慮なく寛いてくれ」


は‥はい〜??

むりむりむりむりむり!!


寛げませんから!ゴージャスすぎますから!!


館に到着したら、いかにも!な執事が出迎える場所なんて、本当にむり!


「お帰りなさいませ、ライル様」


「ああ。事前連絡できなかったが、迷い人を保護した。

部屋の準備を頼む」


「ふふ、連絡はありませんでしたが、情報は入りましたので。

お部屋の準備はできていますよ」


「む?」


「あのライル様に、とうとう番が!?と電光石火の勢いで、告鳥が飛んできました。

いや、もう何と申し上げてよいか‥。

このジルド、感無量でございます」


ん?会話の内容が上手く掴めない。

怪訝な顔をしてライルさんを見上げると、うっすら耳を赤く染め慌てて顔を背けられた。


おや?


「ジルド、余計な事を言いうな。

まだましろは、こちらの仕組みを知らない。

まずは休息だ」


で、案内された部屋は、これもまたゴージャス!


寛げませんから!

私のワンルームマンションに帰りたい!


そんな、あわあわ落ち着かない私に、ライルさんは申し訳なさそうに話かけてきた。


「慣れない場所に連れてきたばかりで申し訳ないが、一度仕事に戻らねばならん。

夕食までに戻るから、ゆっくりしててくれ」


了解です!


何度も振り返りつつ街に戻るライルさんを見送り、私は自分の置かれた状況を考える事にした。


多分、保護システムができるくらいには、迷い人ってこちらの世界にくるのだろう。


となると、今この時点で私がいた世界から、こちら側に来た人が居る可能性がある‥よね?


それでなくても、今までこちらに来た迷い人のデーターとかありそう‥。


それらの情報と照合したら、私は異常ってすぐバレるよね。

それでも、保護の対象になるのかなぁ。


なんて、つらつらと考え込んでいたら、バタバタと部屋の向こう側がうるさくなった。


「どこに居るの!?

知ってますからね!ライル様が迷い人の女を連れて来たこと!

ちゃんと、自分の立場を理解させておかなくちゃ、つけ上がるだけよ!」


キンキンと響く女性の声だと気付いたと同時に、物凄い勢いでドアが開いた。


びっくりして入口を見つめると、ちょっとキツい感じだけど、凄く美しい女性が立っていた。


その女性を静止するジルドを歯牙にも掛けないで、ズカズカと室内に入ってくると、不快なモノを見る目で私をジロジロと眺めた。


と、美しい唇が動く。

「コレは何?

気持ち悪い白い髪、兎族でもないのに赤い瞳?

本当に迷い人なの?

こんな怪しいナリで、ライル様に纏わりつくなどと!

呪いでも撒き散らすおつもり?」


ですよねー。

そう私はアルビノで産まれてきた。


いつも周りから、奇異なモノを見る目を向けられてきた。

学校では人の輪になかなか入れず、仕事を探すのも大変だった。


でも家族はそんな私を愛してくれたし、友人達も大事にしてくれたから、そんなに悪い人生ではない。


そう思っていても、偏見を持つ人が居るのも事実。


最近立て続けに悪意に晒されて、私の心は少し疲弊していた。


だからこの女性の謂れのない暴言に対して、咄嗟に反論する事ができなかった。


「何とか仰い!

お前は汚らわしい魔女なの!?

ライル様を惑わす事は許しません。ここを去りなさい!」

「ラナー様、いけません!」

ジルドが止める間もなく、その女性は私に指を突き付けた。


ふわっと身体が浮く様な、高い所から落ちる様な、目眩みたなグルグル回る様な‥。


そんな、何とも表現しづらい感覚ののち、ふと気付くと薄暗い森の中で尻餅をついた状態となっていた。


まぁ、アレですね。

移転ってヤツですかね?

魔法とかある世界ですかね〜。


ここ数時間での、怒涛の展開にちょっと頭が着いていきません。


はぁぁぁ〜と大きく息を吐き、膝を抱えて座り込む。

人を襲う様な獣がいないといいけど‥と思いつつ。

もう、身体を動かすのが面倒くさい。


ライルさんは、迷い人は人生に疲れた人が来るって言ってたっけ。

正直、確かになって思ったよ。


産まれた時から理不尽に晒されてさ。

ま〜愚痴ってもね〜って、ポジティブに考えて人生過ごしてきたけども。


正直、限界。

あーあ、アルビノなんて気にしない、ましろは綺麗だよって言ってくれてた恋人に裏切られるとは思ってなかったなぁ〜。


両親へも紹介して、婚約したばかりだった。

まさかね。妹に寝取られるとか思わないよね。


アルビノだったせいか、乳児の保護施設に置き去りにされた私を引き取ってくれた大事な両親。


そんな彼らに、何も相談できなくて。

鬱々と悩んで、寝不足からの仕事のミス。

もう、ホント何やってんのって感じ。


あー考えると、更に凹む。

考えるのはやめよ!


さて、ここからどうしよう?

もう日も沈む時間だし、迂闊にウロウロするもんじゃないよね。

今日はここで野宿かな。


「明日は頑張って、人がいる所を目指して移動を頑張りますか。

それから‥それから‥‥」


自分を鼓舞するために、これからの事を考えてみる。

でも、何にも思いつかない。

あの、ラナーって女性が叫んでた内容。


アレがこの世界での認識なら、人がいる場所を目指したっして受け入れてもらえるのかなぁ。


‥‥‥。日が暮れてきた。寒い。

どうしよう。本当に寒い。

自分の腕を摩っても、暖かさなんて少しもない。

これってやばいヤツ?


でも、うん、まぁもういっか。

そっと瞼を閉じて、全てに争う事をやめてみた。

そして何とも暗い、底の知れない闇へと引き込まれる様に意識を手放したのだった。







ぽかぽか暖かい。冬のお布団の中みたい。

争い難い気持ちよさ。

思わず、その暖かさのモトにすりすり頬を押し付ける。すると、

「目が覚めたか?」

頭の上から声が聞こえてきた。


「!!?」

がばっと顔を上げてみると、甘やかな笑みと共にライルさんが私の髪にキスを落としてきた。


「ラ‥‥‥ラ、ラ、ラ、ライルさんっっ!!?」

何で一緒のベッドに寝てるのっっ!?


って、何でココにいるの!?ってか、ココどこ!?

ひたすら混乱する私に、ライルさんは甘やかす様に抱きしめた。


「俺の屋敷だ。

済まなかったな。俺が居ない間に、辛い思いをさせた」

いやいやいや私のシリアスタイム、そんなに長くなかったのでお気になさらずっ!!


それよりも、これはどういう状況でしょうかっ?

「私、森にいたと思うんですが‥‥」


「ああ、アイツが飛ばしたせいでな」

ふと、冷ややかな瞳で呟くライルさん。怖っ。


「だが、俺はましろを保護するつもりだったし、ましろも俺の保護を受け入れるつもりだったろう。

いろいろ手続きはできていないが、双方が受け入れていたら話は早い。

居場所など、すぐ特定できる」


「そうですか‥‥。

助けて頂いて、凄くありがたいんですが。

その‥‥何で一緒のベッドに‥‥」

「あんな場所に、薄着でいたから身体が冷えていたからな。

命の危険もあるから、同衾して暖を取れる様にしていたんだ」

優しく髪を撫でる仕草に、そっかー救命措置だったのねって納得しそうになったけど。


ちょっと待って!

だからって、異性であるライルさんが一緒に寝なくても!

他に方法あるよね!?


ちょっと納得いかなくて、胡乱な眼差しでライルさんを見つめると、彼は瞳に熱を込めて愛おしそうに囁いた。

「やっと巡り会えた番だ。俺以外に世話をさせるなんて、ありえない」

「え‥‥?」


つがい??

あの、ラノベ定番のヤツ?

ライルさんの番って誰が‥‥?


「あの、番って‥‥?

ライルさん、私を保護してくださったんじゃ‥‥」


「ああ、きちんと説明できていなかったな。

この国では迷い人は保護される。

そして保護できるのは、その迷い人の番にのみに許されている」



は?


「保護‥‥ですよね?」

「そう、保護(けっこん)だな」


はいいいい??

今、変なルビがついた!


番って、結婚って!!

ひたすら混乱する私に、大人の色気を振りまくライルさんが囁いた。


「末長く宜しく。俺の愛しい番どの」

後日、sideライルを投稿する予定。


さて、獣人どの思惑はいかに‥‥

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