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にゃんだふるライフ③
「粗方片付いたようだね」
煤煙の中、濃紺の制服を着た人物はそう言ってグローブを付けた手で防毒面越しに頰を撫ぜた。
「はい、首魁や幹部、その他の信徒も拘束致しました」
「幹部級以上の者は捕らえておりますが、それ以外は指令の通り、対処済みであります」
「うん、上出来だね」
部下と思しき隊員に対し、"制服"は続ける。
「彼らが市井に出るとき使っていた地下通路も封鎖済み、あとの情報統制諸々は家中(国家中央情報局)に任せればいいでしょ」
「同じ国防省の外局だしね」
「はぁ..仰る通りですね...」
「万一"鼠"が出た場合でも等間隔に監視員を配置、それぞれ2里四方の探知が可能ですのでご安心下さい」
部下の言を聞くと"制服"は、満足そうに再び頰をさすった。