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第9話 救世王。

「えっ!? じゃあレスカさんも、女神ルクス様の使徒なんですか!?」


「ああ、そうだ」


 全裸でベッドに横たわる、俺と勇者ヒカル。ハーレムメイド達はいない。


 現在ヒカルは男で、俺は女。つまり俺の処女は......コホン。察してくれ。俺は別にホモじゃないが、ヒカルは可愛いから抱かれても嫌悪感は一切ない。むしろ女の快感を知ることが出来て、満足している。


「吸精王の別名はな、こう書くんだ」


 俺はヒカルの腹に、指で字を書いた。


「キャハハ、くすぐったいですよぉ! あ、なるほど、救世王......! 読み方は一緒ですね。納得です!」


 ふんふんと頷くヒカル。くっ、ちょっとした所作が全部可愛いな! こんにゃろう!


「じゃあ今後は僕と一緒に、悪い人や悪いモンスターを退治してくれるんですね!」


 目をキラキラさせるヒカル。なんて純粋なヤツだ。


「いや、そう言うのに興味はない。お前一人でやってくれ」


「ええー、そんなぁ。僕、レスカさんとなら頑張れるのに......」


 シュンとするヒカル。俺はキュンと来て、思わず彼の顔を抱きしめる。


「ヒカル! 可愛い奴め!」


「うぷっ! おっぱいで息が......!」


 俺はヒカルの可愛い顔に雨のようなキスを降らせ、それから彼をジッと見つめた。


「仕方ない、可愛いお前の為だ。俺も悪者退治に協力してやるよ。だが歴史的に見ても、表舞台に立つのはいつも勇者や聖女だ。吸精王は影の主役ってとこだな。だから基本的に、手柄は全部お前にやる。俺は裏からバックアップだ。とりあえず、直近の問題は王国だな。アンニュイはおそらく、王国の手先だ。勇者を悪用しようと企んでいる」


「やっぱり、そうなんですね......」


 ヒカルの可愛い顔に、影が差す。


「そこでだ。王国の企みを暴く為に、ちょいと罠を仕掛けようと思うんだ」


「罠、ですか?」


「そうだ。ヒカル、お前は吸精王を捕らえたと王国に伝えろ。俺はお前に捕らえられた振りをして、一緒に王国へ行く。そこで奴らがどう反応するか......俺の事も利用しようとするかも知れない。真意を知る為には、良い作戦だろ?」


「なるほど! さすがレスカさん!」


 感激したように、小さく拍手するヒカル。可愛い。とにかく可愛い。


「ふふっ、そうだろう。ところでな、ヒカル。一緒に冒険に出る前に、一つ確認しておきたい事があるんだ」


「はい、何でしょうか」


 俺は深呼吸して、ヒカルの目を見る。


「あのな。俺の【魅了】は、相手の事を洗脳したり、支配したりする訳じゃない。俺の事を好きにさせてしまうスキルだ。そして、勇者に【魅了】は通じない。つまり俺が知りたいのは、お前の気持ちなんだ」


 俺は顔が熱くなっていくのがわかった。心臓が早鐘のように高鳴る。一体どうして、こんなに苦しいんだろうか。


 そんなの決まってる。俺は、ヒカルの事が好きになっちまったんだ。


「好きですよ、レスカさん」


「何!? 本当かヒカル!」


 ヒカルの言葉が、ズキュゥゥーンと俺の心臓に突き刺さる。


「ええ、本当です。僕は、あなたの事が好きです。きっかけは助けてもらったから、ですけど......一緒にいて、あなたの本当の心がわかって、もっと好きになりました。悪ぶってるけど、なんか可愛い人だなって。それに優しいなって、思ったんです」


「こらヒカル! 俺を可愛いとか、いい度胸だな、この野郎! 俺もお前が大好きだぞ! バカ!」


 俺はヒカルを、全力で抱きしめた。


 ヒカルはパンパンと俺の肩を叩き、ギブアップの合図を送ってくる。


「もぉー! 苦しいですって、レスカさん!」


 そう言いながらも笑うヒカル。


「悪い。なぁヒカル......もう一回、しようぜ」


 俺の申し出に、ヒカルがクスッと笑う。


「はい、喜んで。一度と言わず、何度でも」


「言ったな! 覚悟しろよ!」


「あはは」


 俺たちは笑い合い、口づけを交わし、それから何度も肌を重ねたのだった。




レスカ様、チョロインw

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[一言] やりますねぇ
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