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短編さん

死を回避する方法

こんなのどうでしょうか。

 私は極めて普通の女子高生、所謂花のJKってやつですな♪ しかし普通すぎるので、正直言って名乗るほどの者でもない。


 ただ、特筆すべき事柄があるとするなら、それは友人の一人がお嬢様だということ。ほんとすごいの。すごいお金持ちなの。言葉じゃ表現しきれないほどのお金持ちだから、どれくらいかは割愛させてもらうよ()

 まあそういうお金持ちなもんで、親は政界の重鎮ときた。上から圧力がかかってるかは知らないけど、お嬢様だからって、特にいじめもなく、平和な平和な……平和な? いや、平和じゃなかったわ。実は紆余曲折あって、様々な企業から日々命を狙われてるの。学校は平和なのにね……。なんでだろね。そんな中でもお嬢様は「普通の学校生活がしたい」とのことで、警備の方は一定の距離を保って、あらゆる場所に配置されているの。こんな状況だってのに、しっかり意見を聞いてくれる親は優しいね。けど敵もそれを掻い潜るように、一般人のフリをして近づいてきたり、どこからともなく銃弾が飛んできたり、マンションから植木鉢が落下してきたり、自転車のサドルがブロッコリーと入れ替えられてたり、それはもう油断も隙もない。警備の人が、いきなり一般人に飛びかかるのを、お嬢様の横で見てて驚いたね。とりあえず全て警備の人がどうにかしてた。ブロッコリーに関しては、出ていけないから、その場で解決出来てなかったけどね。


 ん? なぜそんなに色々な状況を知ってるかって? それは私がお嬢様の一番の友達だから。大体は狙われるのが夕方の帰宅時間だから、一緒に帰る私には、嫌でも目に入ってしまうのだ。そういうわけで、一番近い位置の私が、半ボディーガード状態でもあったりするの。何故か通信機渡されてるしね。

 そんな一人の友人は、今日もお嬢様のお傍に一一




「ねえ、今日は新しいクレープ屋さんに行きたいのだけど」

「お、いいねぇ、駅前のでしょ。まあ何も起きなければいいんだけどね」

「?」

 そう、駅前に新しいクレープ屋が開店したらしい。そんな噂が、何故か男子の間で囁かれてた。普通女子だろ、そう思った人は私だけじゃないはず。聞くところによると、男性から流した方が、男女両方に好印象に行き渡り、男性にも人気ってことで、男性も足を踏み入れやすくなるかもしれないとか。どこでそんな裏話掴んだし……。まあそのクレープ屋に行く途中、私が視界の端に捉えたのは、建物の影に潜む、銃をこちらに向けた帽子グラサン男。

(まずい!)

 そう直感した瞬間、私は隣のお嬢様のスカートを、前が開けるように捲った。それも思いっきり。


 今日は白でした。


「ーーッ//////」

 声にならない悲鳴をあげ、顔を真っ赤にしてスカートを抑えるように前かがみになるお嬢様。その直後、パァン! という銃声と共に、お嬢様の頭上を通過する銃弾。反応が一瞬遅れてれいれば、大惨事になってただろう。そして素早く犯人の写真を撮る、手馴れたものだ。仕留め損なったグラサン男は逃走、周りの一般人は大混乱、加えて下からお嬢様からの、非難するような視線を受けるが、無視して通信機をいじる。それどころではないのだ。

「犯人は私から見て十時の方向に逃走! 特徴は黒の帽子にサングラス、175くらいの黒のパーカー野郎、写真も送った、逃がすな!」

『了解!』

 応答の後に通信機を切る。ここまでして、やっと一息つく。こうして何かあったら、逐一周囲の警備の人に伝えなければならないのだ。これもお嬢様のため。通信が雑なのは緊急だから。犯人に逃げられたら元も子もないからね。


「……もっとやりようはあったんじゃないですか?」

 涙目のお嬢様はまだお怒りの様子。

「いや、ほんとに時間なかったからさ、私から動いても無理そうだったし、まあ助かったからいいじゃん!」

「それはそうですけど……」



 今日もお嬢様は危険に囲まれている。


バイオ5で無線通信に影響受けました。

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