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南国ステージ

「うーん考えてみるとサトルと一体化して戦ったほうが簡単だったんじゃ無いですかね…。ミルが大半の魔法を受け持ってくれたので、サトル何か暇だったような」

「まあ何事も経験だ次に生かそう」


 取りあえず僕らは2階を軽く見て帰る事にした。うーん…。蟻です蟻…。すぐ倒せたけど、これ肉取れ無いよな。何か人すくないなと思ったんだよ。弱い冒険者はおそらくお金的に美味しい1階で留まって、強い冒険者はその上の3階に行ってしまうんじゃないだろうか?このフロアー面倒だな。しかも連中宝石鉱物の類も持ってない…。僕らはすぐに帰還して2階攻略の作戦を練り直すことにした。あ何か無茶苦茶便利なんだけど、ギルドに帰って聞いてみると、今度から入り口で2階を選択してすぐ飛べるらしい。帰るのも当然同じように1階を飛ばせる。どういう仕組みなんだろうな。謎が多すぎて考えるだけ無駄だとこういうのは諦めた。


「別のダンジョンを探しましょう」

「ええ?」

「新しい武器がパーティに必要だと思うんですよ。この先も美味しくないフロアーがあると思います。さくさく進めるように強くなるんですよ」

「今でも強いよな」

「でも人がフロアーに居ないとさすがに大変です。他のパーティでも誘いますか?」

「やだないろいろ聞かれてダンジョン攻略者だとあんまりばれたくないな。確かに今より強くなれば僕らならあの程度楽勝だね」

「ただし、しばらくは私が情報収集をするので、二人で訓練がてらアリンコフロアで頑張ってきてくれませんか?」

「分かった」


 ギルドの方で情報を集めて、後はルゥに任せることにしてミルと二人でダンジョンに向かった。


「ルゥ無理しちゃ駄目だからね?僕はこの剣本当に凄いから。僕の事ルゥだと思って守りは任せて欲しい」

「うん」


 前向きに変わってきたとは言えミルはどちらかと言えば無口だ。僕に多分感謝してるのは伝わってくるけど、親しみみたいのはまだ強くは感じない。ルゥの何か策略なんじゃないか?と思えてくる。彼女がいると彼女ばかりに僕が頼るから。世話焼きババアみたいな真似をして、気を使ったのかもしれない。


 さすがに二人は不安がある。入り口付近から離れないように慎重にノーマルアントを倒していた。本当にこいつら金にならない。だが、僕らはそれに対処するため2階での稼ぎ方をいろいろ聞いてきた。皆2階は美味しくないので気前良く教えてくれた。しばらく居れば気がつくのだが、実はこのフロアー熱い。ダンジョンの仕組みは本当に考えたくない…。1階とはっきりと温度が違う。植生も違う。ここは南国フロアーなんだ。何故蟻なのか?そういえば昆虫は暖かいほうが活動しやすいと言うのを聞いたことがある。爬虫類もそうだが、冬に見かけなくなる生物は大体その傾向が在る。だからここは昆虫が活発なフロアーなのか。さてここは香辛料や南国でしか取れない薬草の宝庫だった。モンスターは邪魔でしか無い。僕らはそれらの草木を探して探索した。植物だから時間と共に変化するだろうが、それでもしばらくは大丈夫だろう。僕らは2階探索を後々金にするために採取と大まかな植生マッピングにいそしんでいた。


 ルゥがどこまで計算してやったのか?それとも全く考えてないのか?この二人の活動は僕らの絆を深めていた。ミルはこういう博物的なものが向いてるようだ。


「これ胡椒ですね」

「ええ胡椒ってこんな植物だったのか」


 僕はスーパーに置いてあるS○P印のものしか見た事が無いので意外な発見に素直に驚いていた。出発前に植物図鑑を見たり手の空いてる職員の人に聞いたりしていたのはこういう事だったのか。つかー彼女記憶力良くない?魔法使いって知的なイメージ合ったけどやっぱりそうなのかも。病弱少女がいきなりガチなダガー近接戦闘するから分からなくなっていたけどやっぱミルってこういうイメージで良いんだ。ただ文系じゃなくて理系に変更。と言っても日本でのこの世界の魔法に近いイメージって文系だと思う。でも錬金術とかは理系だと思うからその辺りなんとも言えないな。どっちにしろこれは彼女に話せないけど、そのうち話さないといけないな。ルゥと違って眷族にはそういう機能は無い。あれはルゥ固有の一体化の力だと思う。


 上の階がどうなってるか?は分からない。でも何故この町が発展したか?判った気がする。価値があるか?はなんとも言えない。でも世界中のありとあらゆるものがここに何故か出てくる。蟻は一切金にならなかったが、2階は植生のおかげでそこそこは金になった。


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