暴落活かせず
オイラートに向かった。しかし遠いこれ大丈夫かな…。攻略されてしまわないか。ただ思ったよりは早く着いた。こんな遠出最近した事が無かったから。以前馬車使ったソルバぐらいかな。早速入ってみた。普通だ普通。実に良いね。賑わってるダンジョンにはそれなりに理由がある。最高の条件は肉さえ売れればだけどまだまだモンスター肉普及は先が長いようだ。街で聞いて来たけど肉は駄目、冒険者の間ではこれが売れないからな…。ただ鉱石は買取をやってる店がある。肉屋が無いわけじゃないが、モンスター肉となると話しは別。それに対して輸送がしやすい鉱石はこの町で消費しなくても良いから買い取ってくれる。肉はその間に腐るから…。
未だに攻略されない理由が2階で分かった。この階ですでにオーガが出ている。店では最深階は3階となっていた。オーガ倒せたのか、3階がケルベロスとヘルハウンド。4階がワイバーンとハーピーって扉があるよ…。すぐに倒せたが、僕らは開けずに町に戻って鉱石の買取を見に行った。本来は金物を扱うような店が少量しか扱わない鉱石を大量に扱って後で売りに行くケースがこの手の地方都市には多い。やはり暴落している。自分でも遠いのを確認したので、冒険者の数を見てここは落ちると思っていた。
敢えて最深階を知らせずにすぐに買取を開始した。ある程度買うと欲張らずに4階を攻略して扉を開けた。
「汝力を求めるか」
「我眷属フォウに相応しい武器を望む」
腕輪と財宝が出てくる。フォウがはめて確認後に僕に渡しバックに収納して外に出た。
何食わぬ顔で何が起こったのか?と言う感じでさっさとその場を離脱した。記録を更新せずにしていたため目立たぬように町から逃げた。
「今回中途半端ですね」
「しゃーない2階にオーガ出てるのに3階まで制覇してるんだから。2つのケース考えた。単純にレベルが高いパーティの存在。後はパーティ同士が協力した。あれ良くこれ倒したなって思ってて、いろいろ考えていたらパーティ同士が協力すれば倒せると思う。じゃ何故これまで無かったのか?と言うとこんなに好条件のダンジョンって無いからね。分かるでしょ?いつも人見かけないダンジョンばかり潜ってるから。人気がある=すぐ攻略されるって僕はずっと見てた。でもちがうかもしれない。実際見て見ないと分からないけど、フロアモンスターだけ倒せないならそこだけ協力するんじゃないか?って点。もちろん利害の対立がある。ただ扉が見えなければ協力するのでは?」
「なるほど、利害対立すると思っていたら、扉の階以外では協力ってありえますね」
「攻略完了できる目印が目の前にあったら逆に死んでくれぐらい非協力的になるかもしれないけどね」
こんな発想今まで無かったけど、逆にこれで後から攻撃に参加して分け前を要求する図々しい戦い方もあるのかもしれないと思えてきた。シティはそれが戦う前の場所取りで終ってるから楽といえば楽だ。シティってまだ紳士的なんだな。いや実際見たわけじゃないけど協力がありそうだと思ったら、逆に相手を利用するやり方をいろいろやりそうだと思えてきた。
いつもよりはかなり多いけど以前買い捲ったほどじゃないので、魔法バッグ使うほどじゃなく後はメイに任せることにした。
「今回はしゃーない。買占めの利ざやより、財宝の方が美味しいからね。ちんたら買い集めてて目の前で攻略されましたじゃ間抜けすぎるから。階層が少ないのと今回はいろいろと上手い冒険者が多かったようだ。シティなら損は無い金額で買ったから失敗じゃ無いさ」
「それ思うと暴落の理屈って分からない所ありますよね」
「いつ攻略されるか?って分からないからね。それなら荷物は減らしたいよ。その点僕らは扉見て買ってたからね」
「ずるいと言えばずるいですね」
「真相を知ったら思うだろうね。たださ町を去る冒険者なら別の街で売るから逆に荷物増やしても良いんだよな。どっちかは分からないと思うよ。だって僕ら更新しなかったし今回露骨には鉱石集めてなかったからね。後さ冒険者個人ではそうだけど、店側の方が暴落の要因としては大きい。店側が持っていく、きてくれるどっちでも大きな街と頻繁に繋がりがあれば買い取ってくれるから落ちない。基本暴落は発生しない。たまたま以前運が良くて珍しいもの見れたんだろうね。後さ通常の冒険者側だとこれ運が悪いから。だから滅多に発生し無い方が良い事だと思うよ」
しばらく留守にしていたのでメイの報告が楽しみだった。




