楔形文字
『トステルは行くのですか?』
(行かない。以前の計画でしょ。あれは何か失敗、いずれ通り道にでもなったら訪ねて見よう。いくらランクルから近いからって行く価値無いよ)
ランクル付近のダンジョンに到着した。
砂漠の町。モンスターは犬とか猫とかが凶暴化したもの。後は特になし。見た目と違いすごく強いとか特に無くあっさり倒せる。
「うーん、拍子抜け」
「あれなんですか?」
何かブロックみたいな板がわんさかある。
「楔型文字か中東ダンジョンって感じかな。ああもう記念だ持って帰ろう」
他は特に目立ったものもなくフロアモンスター出現ポイントっぽい場所に来る。巨大なスコーピオンが出てきた。あれから毒の対処を考えてポーションの類をすでに買ってある。ただ毒性の強さでこれらは治癒について変化する。こいつはてこずった。シティのものより大きい。固い敵だったが、本当に硬いって敵ではなかった。ただ鋏を器用に使って剣を防がれたのだけやっかいだった。それでも何度も鋏モンスターと対戦してるので、そういう経験が役に立った。僕じゃなくてルゥがだけど…。僕が鋏を一手に引く受けていたので、その間に危ないだろう尻尾をルゥが切ってしまってフォウと同時に胴体を攻撃して結局それが致命傷になってしまった。もっと硬い敵とやってきたので、この程度だと鋏以外はそれほどじゃなかった。
2階に進む。相変わらず砂漠の町。目立ったものは特に無い…。敢えて付け加えるなら今度は川が流れている。ただモンスターは強かった。大き目の毒蛇や通常サイズのスコーピオン。以前見た大蛇と言うほどじゃない。ニシキヘビぐらい。このサイズの毒蛇って毒の治癒できるんだろうな…。毒々しい敵には気を使うところも合っててこずった。
さて問題はフロアモンスター、酷いなの一言。まず1階で諦めても良いと思う。そしてその先への挑戦を阻む凶悪なモンスター。火の怪物。
「あれ多分精霊だと思います」
「同族?」
「同族なのか?は分かりませんけど、私と近いと思います」
中東っぽい場所に火の精霊と言えばジン、イフリートに似たもんなんだろうなのだろう。
高い防御力を持っていても、あれはそれでも熱いと感じるもの。ただ一応切れるようだ。効いてるのか?効いてないのか?分かりにくいのはつらいな。硬いモンスターに似てる。ざっくり行ってる攻撃があるはずなんだけどな…。フォウもせめあぐねてる。ルゥだけモクモクと攻撃。まあこの辺り二人の性格が出る。フォウってルゥより慎重だから。効いてるのか?効いてないのか?分からないが攻撃を繰り返す。ミルも見た目から炎以外の魔法を使ってるようだ。疲労感がたまってきた頃あっさりと消えた。
多分これ強いと思う。まず僕がダメージを受けるのがすごい。大火傷はさすがに無いけど。次にとにかく何が凄いのか?クリーンヒットをしてるのにまるで表面的には大きな変化が無い。動きが一瞬止まったりするから効いてるのかな?そんな感じでひたすらやり続けた。しかも動きも良い。これは大多数の冒険者の心を折る。まず1階越えられるか?が怪しい。そして例え超えてきてもこれじゃ逃げられるものなら逃げるだろう。ただ死ぬんじゃないかな。
「あれ??」
3階への移動する反応が無い。前にもこういう事が一度あった。怪しいと思った付近の砂をどけるとやっぱり扉が埋もれていた。たどり着いたのは良いけど、掘り起こすのに一苦労だった。
扉を開けると、
「汝力を求めるか」
「我眷属ルゥに相応しい武器を望む」
足輪と財宝が表れた。そう来たか。てっきり僕と同じ指輪だと思ってた。ルゥは足輪をはめて僕らは外に出た。
「いやー僕と同じ指輪だと思ったんだけどな。やっぱ格闘戦の経験が考慮されたのかな」
「いろいろこのダンジョンの主考えてますよね」
僕らは家に帰った。嬉しいサプライズとなった。まだ武器を取る意味があったんだなと。ただ財宝少ない…。以前は武器のオマケで考えていたので気にしてなかったけど、今ちょうど立場が逆武器がおまけで財宝がメイン。それだと階数の少ないダンジョンってしょぼい。必ずしも1階が最低ではないけど、ばらつきが合っても1階の平均ぐらいが、シティ20階財宝ドロップ3回分ぐらい。人が居なければ1日でとれない事は無い。リボーンの法則を完全には把握して無いけど。人が居なければだけど…。以前から思ってるけど、階数が低くてもダンジョンのラストのモンスターってかなり強い。ヘンテコマイナーダンジョンが長期間残ってるのはこういう理由なのか…。
取ってきた楔型文字の板をヘンテコダンジョンの戦利品としてまとめてある倉庫に入れた。それを見る皆の目が冷たい。
「メイはこれ売るんだよー」
【わ、わかってますよ】
と言いつつ困惑を隠せない。
[売れ無いよなーこれ]
「ああ、それ言ってしまったら集める気力落ちちゃうよー、そう思ってても暖かく見守ってー」
メイが作ってくれた食事を食べた後メイの報告を聞く予定だったが、まず僕が話していた。




