マイルズ再挑戦
「マイルズを攻略してしまうおう。もし高い塔なら諦めれば良い。ルゥの言うとおり僕の撤退判断が間違っていた」
「いや私も根拠があって言ったわけじゃ無いしそもそも否定したわけじゃないです。なんかボーっとしてると言うか」
「違いあるの?」
「ありますよ。それこそサトル自身が気がつかない事も分かるほどに」
[僕分からんー]
《私も》
「まあ良いやどうかしてた。ずっと考えていた事だけどなんで僕らがあれだけ攻略したのにどんどん新規のダンジョン生まれないんだ?って話。だから僕は減ってるんじゃないのか?って話になったら情報屋は違うと答えた。これは矛盾」
【騙されてるという事でしょうか?】
「違う。情報屋はすでに攻略されたダンジョンの情報なんて教えないからだよ。僕らもそんなものにお金払う価値は無い。僕らがする事は、この見解が正しいのか?だけ聞けば良い。これが前に話した。情報屋に判断させるために情報を渡せって話。種はまいて肥料も与えてきた。今度は収穫の時期だよ。頼むよメイ」
【理解しました】
「僕はシティも地方も変わらんと思って行きたくなかったが、実は違う。僕らが強すぎて分かりにくいけど、しょぼい敵を相手に上がるより、きつい敵相手に上がる方が大変。だから今シティで最低10階は一気に上がらないといけない攻略にためらってる。ダンジョンの大半はすぐ攻略できる。それは情報屋が知ってるって推測。それをメイに確認に行かせる。僕らは推測でもうマイルズをある程度進める。長すぎたら帰れば良いよ。この撤退なら良いんだよね?」
「そうです、ぼーっとしてません」
「武器は要らないでも財宝は美味しい。適当にアクセサリーでも貰うよ。ただし何があっても武器は売らない。他の冒険者を強くしすぎる事には協力しない」
[何かせこ…]
「ええーーい強者であるフォウにはわからんのじゃー、所詮僕は武器でアドバンテージ得てるだけだからね。大して嵩張らないから、余ったらバッグに入れて状況に応じて使い分けよう」
僕らは再びマイルズ付近のダンジョンへと向かった2度手間。明らかな失敗。失敗を認めるのは中々つらい。
マイルズ付近のダンジョンに再び到着した。ぼーっとしてる。本当にそう。何やってるんだろ?って反省ばかり頭に浮かぶ。頭にきてたから、速攻で3階付近まで駆け上がった。モンスターは確かに人が居ないから数が多い。だが僕らはこれらを切り開いて真っ直ぐ進める力がある。さすがにモンスターで歩けないほどリボーンするは無い。エンカウント率が多少高い程度だ。この階層としては強敵になるグリフォンが表れた。こういったダンジョンには不釣合いなフロアモンスターが度々現れる。シティがまるで計算されて構成されてるかのような美しさを持つのと大違いだ。4階には下位の混成モンスターの割りに最後はオーガ。一応逃げることは可能だ。しかしこういうアンバランスさは低いレベルの冒険者が命を落とす元なんじゃないか?と思えてきた。地方ダンジョンが全体の階層が低くても案外残ってしまうのはこれにある。5階で扉を見つけた。ケルベロスだ。うーん一応考えられてるかも。ベルゼブブ、ガーゴイル。これらの強さは半端なかった。そういったやばい敵とは違う。一応計算されてるのかな?良く分からん。ただ通常モンスターに較べてイビツな構成。シティ慣れしてる冒険者はこれ死ぬかもしれない。ケルベロスだって、僕一人じゃ強敵だからな。4人で倒したけど。
扉を開けると、
「汝力を求めるか」
「我サトルに相応しい武器を望む」
指輪と財宝が出てきた。僕はそれをはめて外に出た。
元々あんまり乗る気じゃなかったのは、財宝が階層が低いと10階以上の半分ぐらいしかない。今回はその中間ぐらい。武器も何が出ても良いから注文も無し…。僕らはシティの家へと急いだ。
家にはメイが待っていた。何か言いたげな顔だ進展があったのかな。
「かったるいリボーン待ちさえ無ければ圧倒的に財宝ドロップの方が美味しいな…」
「でも何度も取れないから駄目なんでしょ?」
「うん、まあ前提が間違ってるね。それでも地方周りしたがらない理由は分かるよ。後僕の剣の技量が上がってきた。それだけでも良しとするか。いずれはシティも上げていくと思うけど、やることが無くなってからで良いよ。一気に10階も上げないといけないってのがね。メイ話を聞かせて」
【ガントレンのさらに南の町ソルバに出来た新しいダンジョンが町に近いらしいです】
メイの話をさえぎって。
「次そこにしよう。まずこれだけ決定ね。異論が無いなら続き」




