ダンジョンシティ
「サトルダンジョンの事聞かないのですか?」
「ああそうだね、村では話の流れで聞いたけど、別に必要な情報じゃないんだよね。ただ確かにあれが何か?気になる事は気になるね」
意外にもすぐにダンジョンの情報は見つかった。ただダンジョンそのものの情報じゃなくて、となり町に大きなダンジョンがあるらしい。そこへ行けば確かにもっと多くの情報が手に入る。そこで僕達はとなり町へ向かう荷物と数人の客を乗せた馬車に乗せてもらうことにした。旅の途中、乗客に隣町のダンジョンの話をしたらいろいろ教えてもらえた。なんでも隣町のダンジョンは誰も攻略したことがなく、中では様々な使えるものが取れて町が発展してきた歴史があるらしい。隣町はそれによってダンジョンシティ呼ばれるようになったらしい。
ダンジョンシティに到着した。かなり大きな町のようだ。
「ダンジョン??」
『タワーですね』
「地下の迷宮に限定した物じゃないみたいだね」
僕のイメージの中にあるダンジョンと言うよりはルゥが言うようにタワーと言ったほうが相応しかった。町の中央にどかんとそびえる高い塔。これがダンジョンらしい。タワーをダンジョンと言い換えているわけじゃない。それは僕らが最初にこの世界に来た場所はまさに地下の部屋だったから。どうみてもあの穴は下に向かってしかありえない。上には何も無かったのだから。
おそらく財宝を換金すればかなりの額だと思うのだが僕は節約してルゥと一体化して1人分の馬車代に抑えていた。おかげですぐにダンジョンに入ろうとしたらルゥにとめられた。人目につかない場所で二人に分かれた。どのみち見られていてもこの暗さだと二人に分かれた?とか思わないだろう。ルゥに基本守ってもらう形で中に入る事にした。
「ルゥ、あのさダンジョンシティに来た。それは分かる。何故僕中に入ってるんだろう…」
「サトルがいきなり入ろうとしたんじゃないですか」
「それがさここまで来たら取りあえずみてみる?ってなってね。僕さ考えてみると最初のダンジョンで怖い目にあったんだよね。勢いで入ってしまった」
「じゃ戻りますか?」
「いやまあルゥを信頼してるから。おっかなびっくりで良いから見てみよう」
何故こんな事してるんだ?と冷静になってみると観光気分だなと反省していた。ただルゥの強さは良く分かってるし、僕もある程度剣を使えるのでちょっと軽い気持になっていた。
同時に入った人達が居てその人達が何をやってるか?を見ていた。人間よりは小さな体格のどう見ても人間とは違う2足歩行の動物?と彼らは戦っていた。棍棒などを持っていて結構危ない。
「どうやらあれと戦うみたいですね」
「どうにかなりそう?」
「おそらく」
他にもその猿みたいな動物が出てきたためルゥは倒しに行った。役に立つか?分からないけど僕も一応フォローに入った。ただ彼女強すぎてほとんど倒してしまった。
「うーん、これじゃ駄目ですね。私が弱らせますからサトルがとどめ刺して下さい」
「なんで?」
「その剣の力みたいです。それ多分すごいものですよ」
そうルゥが言うので試して見るかと、ルゥが倒すの待っていた。猿モドキが今にも死にそうにフラフラになるまでルゥに攻撃されて僕の目の前に来た。すかさず僕は剣を振り下ろした。僕が彼女から学習したものは身体を直接使った戦い方なので剣の戦いはルゥとの稽古以外初めてだった。それでも何かこれはと思う手ごたえがあった。スパンって真っ二つに切れてしまった。いやいやそれは無いでしょ?僕は先ほどの別の人達の戦いを見ていてこんな戦い方じゃなかった。刺すとかもっとガツって肉に食い込むような剣の使い方だった。何これ居合いの達人ですか?
「やっぱり、それサトルの力量じゃないですよ」
「どういう事?」
「サトルと稽古したと時にこの剣只者じゃないとすぐ感じました。直感と言うより肌でヤバイって感じでした」
僕はまぐれ当たりでは?とまた別の猿もどきを切ってみた。今度は相手が前よりは元気だったため、腕だけがスパンと切れて落ちた。相手の動きが鈍ったため今度は胴を切ったら、またもや真っ二つになってしまった。
「ああ、これは本物だね」
「おそらく」
なんだか死体に回りの人が群がって、僕らに・・・良いのか?とか聞いてて、良く分からず良いよって答えておいた。そうすると何か皆で動物の体をくまなく調べて何かを取って、その後解体し始めて肉を持ち帰ってしまった。
「えええ、あれ食えるのか…」
「帰りましょうか?何か私達情報が決定的に不足してますね」
「観光気分でうっかり入ってしまったからね」
僕らは手分けして様々な情報を探った。