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ミルの過去

 4階、ダンジョンって何かしらの意図があるんじゃないだろうか?さっぱり分からん。東南アジアがどんなところかしらないけど、あのあたりの町すぽんと入れられてもここどこ?になる。いろいろ見せていたけど観光ネタつきたと言う感じだ。またゴブリンに戻ってる。ただ自然が多いとゴブリンって日本よりはマッチするな。別に欧州的雰囲気じゃなくても。知らないだけで欧州かもしれないけど。慎重に食い物選ばないと、さすがに良く分からんのは食うの怖い。コンビニごっそり残ってたのそういう事なんだろうな。フロアモンスターはケルベロスか。やっぱりシティのモンスターとある程度共通性がある。中の世界観は滅茶苦茶だけど。距離が離れたからかな。僕がこのあたりから出てきたという事は地球ダンジョンなのかもしれない。


 中々3本の頭たち悪い。ちょうど僕ら3人に対応してる。ミルには特に都合が良いので後方担当してもらった。じゃ3人で一つの頭倒しますか。分散しないと誰かが2本の頭対応になるからそれを防ぐためだった。ただこれ段々分かってくるけど、ケルベロス側が圧倒的に不利だ。頭だけ器用に動いてもたかがしれてる。体は1つなので動きに幅が無い。すぐに気がついたのはルゥでさっさとしとめてしまった。あれは頭割れてるんだろうか。うな垂れてる。すぐにフォウも同様に倒す。この二人スタイルが似てるな…。フォウは体の方攻撃してるのに、ルゥがぼーっとして変なほう向いている。ちらっと気になったけど余裕が無いので僕は無視して最後の頭と戦っていた。元々3本の頭別々にやってたので、倒しても僕は楽にならなかった。うーん僕だけどんくさい…。これだけパワーアップしても他のメンバーが強すぎて自分がレベルアップした実感が沸かない…。特に新しい敵はそうなる。なんとか倒したけど、結構自信があったからがっくりしていた。


「ルゥどうしたの?」

「あれ」


 そうルゥが指を刺すと。


「ああ」


 気がつかなかったけど、扉あるじゃん。いつもすぐに気がつくからケルベロスが珍しくて気を取られてたんだな。いやこれが正しい姿だが。ルゥ余裕過ぎるわ。扉を開けて中に入った。


「汝力を求めるか」

「わが眷属フォウに相応しい武器を望む」


 いつものって言ってもなれる事は無いんじゃないかな。楽しみに来てるから。その気持ち見事に裏切ってくれました。


「また腕輪かー」

「不満か?」

(ああ突っ込まれた…)

「いえいえ大変満足しています」

「後それ足輪じゃ間違えるな」


 僕らは魔方陣から外に出た。大量の現代のアイテムゲットしたからもう良いかな?懐かしさはあったけどどうもイマイチ使えない現代文明の道具。考えてみると現代文明って独立して一つの道具じゃなくて、いろいろ基盤となるインフラがある。電話網が無ければ電話なんてただの箱。同様に携帯電話も同じ。ふーそういえばインスタントカメラだけとってきてよかった…。これがデジカメだとプリンターとか無いと画像しか映らんもんな。電池切れたら終わりだし。一応小さいものとかデザインだけ考えて持ってきた。動かない電化製品を僕の部屋のインテリアにでもするか…。


「フォウどう??」

「これ良いんじゃない?サトルはケチつけてたけど、僕さ良く変化するから握る武器とか鳥とかになった時良くない」

「ああ足首大丈夫?変化して確かめてみて」


 鳥に変化した。


「すごいよ、きちんと足の太さに合わせてくれる。高性能だよ」

「ごめんダンジョンの管理人さん…」


 かなりフォウのために考えられた武器だった。しかしこれ4階ってのがあるんだよな…。明らかにミルのダガーよりしょぼいぞ。ルゥとフォウは元の身体が人間より高性能だからこれで良いかも?とも思っていた。


「サトルあのさ、私別に過去について話すのが辛いとかじゃない」


 ミルが帰る時に話し始めた。当然ルゥも聞いてる。フォウも聞いてると思う。


「そうじゃなくて、サトルと私が人間っていつも言ってるけど、実は私人造人間だから」

「うわー、何それ僕多少は別世界の人間って衝撃かな?と思ってたのにそっちの方が驚いたよ」

「おそらく魔力によって器が壊れるなんて私以外居ないんじゃない?まるで良くある病気みたいだけど、あれ違う。あれ実のお父さんが義父さんに話し事だから。私魔法によって生み出された人造人間だから。それであの良く分からない説明になるんだと思う」

「実を言うとおかしいと思ってた。魔法の知識とか魔力が高いのは天性だとしても10才にしてはいろいろ知ってる子だなと。そのお父さんから?」

「うん」

「どういう経緯で義父さんに引き取られたか教えてくれる?」

「うん、元々出入りしてた奴隷商人だよ。過去の義父さんは知らない。ただある日私を引き取るように言われたらしい。ここは推測になるけど、多分私欠陥品だから捨てられた」

「そっか、良く分からないから言わなかったのも在るのか。良いさそこは分からない事にしておこうよ。しかし僕だけ人間だったのか」

「別世界ってのが分からないけど、それこの世界の人間と同じなのかな?だってこの世界の人間には眷属なんて作れないし」

「ええ僕も人間じゃないの…」

「私程度は怪しげな存在だと思うよ…」

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