現代日本
意外にもすぐに新しいダンジョンの情報が手に入った。なんでも最近出来たダンジョンで、ガラクタばかりで超不人気で放置されてるらしい。ただ変わってるって点でこれ以上の物を見たことが無いって話だった。すぐ見つかったのは、最近出来たばかりなのと、後はこの変わってるが大きかった。ルゥに注文をつけて変わってる点を強調して調べて欲しいと話しておいたから。以前も和風ダンジョンで思ったけど、変わったダンジョンって価値の良く分からないものが多くて不人気になりやすい割りに情報だけは多いから。リーダーできてますー。ただ問題は僕が最初に攻略したダンジョンの付近らしい。あれどんだけ不便で遠いんだよ…。
「フォウあのさ、お犬様になって僕はルゥと一体化するからミルと乗せて走ってくれない?」
「僕だけ疲れるなそれ」
「だって4人で歩いていったら遅いんだよ。んであの辺り馬車とかそういうの一切無いから」
「まあ良いけどね」
「町出てからね」
「それぐらい分かるよーー」
食料をたっぷり買い込んでフォウに乗って僕らは出発した。そういえば今回は僕も魔法バッグもってきた。多分前から使えたと思う。なんとなくミルのバッグがあれば足りてて無頓着だった。今回はさすがに隔離された場所だから困ったなと悩んでいたら思いついた。夜はさすがにフォウに悪いし乗ってて眠って落ちるのも困るから野営する事になった。
「フォウすごい便利ー」
「何か便利な犬と思われてると嫌だなー」
ミルとフォウの毛皮に包まって寝た。次の日にもうついた。以前そういえばロバの荷車での旅だった。フォウ早い。後は教えてもらった地図を見て細かい場所を特定しないと。この辺り人が住んで無いから自力で見つけないといけないから大変だ。地図がかなり正確でそのまま地図見たら到着した感じだった。
フォウはいつもの少女スタイルに戻ってダンジョンの入り口をくぐった。前から思ってるけど、ここってダンジョンモンスターが実は出てくる。シティは人だけが上手く出入りできるように結界ははる事で中から抑えている。ダンジョンが人里離れていても確実じゃないが大体発見されるのはモンスター被害によるところが大きい。ギルドはこの情報を得て冒険者に依頼して派遣している。当然そのダンジョンの攻略の一番乗りなのでこれは付近のモンスターの討伐の依頼はついでだそうだ。一番乗りの権利を譲る代わりに依頼によってギブアンドテイクで成り立たせている。ダンジョン攻略を生業とする冒険者以外、この世界でダンジョンの存在は邪魔でしかない。
入ってかなり驚いた。はは、日本だこれ…。日本にゴブリンが居るよ。人だけ居なかった。どういう仕組みなんだろうな。本当にダンジョンって不思議。以前ずっと考えていて、シティのダンジョンがこの世界のあっちこっちの地域と似てるから。そこからいろいろ拝借して部屋の中を作り上げてるのかな?と思ってた。和風ゾーンもこの世界じゃないどこかにあるのかもしれない。僕がここに来た謎が何か繋がってる気がした。
ゴブリンに警戒しながら大方退治したら町を見回った。コンビニあるよ。僕が食えるものを選別して皆の前で一応臭いをかいで食ってみた。怖いといえば怖いけど、どうも時間がたってる気がし無い。人間以外がコピーされるとか?良く分からないが腐ってないし食えた。
「これ食えるの?」
フォウが話しかけてきた。
「うん」
僕は片っ端から食えるものをどんどんバッグに放り込んだ。後つかえそうなものはノートとか筆記用具。トイレットペーパー。これは別に使わなくて良かったけど、何かとあれば便利なので貰っておいた。後なんで電気通じてるんだ…。雑誌はどうしようかな。この世界は日本語じゃない。ただ僕は不思議と日本語感覚で扱えてるだけで。個人的に読む事にして数冊入れておいた。
道には人が居ない駐車された車が止まっている。たまに傷ついた車も在る。ゴブリンがいたづらしたのかな?コンビニの食い物襲われなくて良かった。そんなに外れじゃないかも…。不思議な光景だ見慣れた日本にゴブリンが居る…。ゴブリンの肉は食料としてそれなりには保管しておいたが、正直持ってるものはガラクタだった。シティでゴブリンは何を持ってるか?と言うと彼らは鉱物とか宝石が好きらしい。そういうのを自分で集めてるだけで、一緒に生まれてくるわけじゃない。だからこそ土台が日本ならネジとか鉄くずとかガラスとか…。いらねー。こんなの持って変えるなら自動車の外側でもひっぺはがして鉄の塊としてもって帰ったほうが良いわ。
や○だ電気か。TVはあるが映像が無い。そりゃそうだ放送局が無いよな。でもDVDとかは再生されてる。ただ電気が無いからなここは全滅だ。
「何か人居るぞ」




