眷族の影響
「ルゥごめん、フォウの力の影響凄いわ」
「でしょ?」
「でさ疑問があるんだけど、何故ルゥの影響は少ないの?特にフォウだけがルゥに較べてベースの身体が優れてると思わない。だってそれならいくら眷属のパワーアップがあっても僕らフォウ降参に持ち込めなかったよ。大半ルゥの力押しだから」
[ああそれ僕も同意、一番嫌な敵は間違いなくルゥだったね]
「その割にはミルばっか狙ってたよな」
[嫌な相手と言うより、あれだけ守るように戦っていれば分かるよ。でも今のミルなら多分違っていたと思う]
「ミルだそうだよ。なるべく放置するようにしてるけどさ危険なら言ってよ」
《うん、特に今は問題ないよ。ただ強い敵とまだ僕は直接はぶつかって無いから》
「ああ分かる、フォウってそれが嫌だったよな…」
[ひどいなー]
「話ずれた。んでルゥどうなの?」
「確かに私は眷属に対するサトルへのアドバイザーです。ただすべてが分かるわけじゃないです。だからフォウみたいな分裂種もありなのか?と後から困惑したので。ただ傾向の分析は出来ます。以前から私は頭脳担当で肉体的強化の様な方向は無いと話しました。そして私は最大の特徴は一体化だと思っています。その時身体強化の影響が出るので眷属としてのかかわり方の違いなだけじゃないですかね?」
「そこで疑問は変化なんだよな…」
「そこは私も頭脳担当とか言いつつ特に戦闘面では貢献できてませんからね」
「睡眠学習がそれなんだけど、あれ一体化の副産物だからな。つかーそもそもフォウ思ったより賢いんだよな…」
[思ったよりって]
「いやマジモンスターって大半馬鹿だから。もっと賢く戦えば今より怖い存在になるよ。でも1VS1ならそれほどでもないか。チーム戦の穴ついてくるとか弱いんだよな。人間ってどうしても圧倒的な1匹のモンスターに複数で分散して戦うけど一人ひとりはすごく弱いからね」
僕は思う所があって新しい事をしなくちゃいけないと思っていた。
「ええーっとたまにはリーダーらしくと、フォウにこのまま犬のまま床に寝てもらうのも悪いので家買おうと思うんだよ。たださここから頭脳労働担当のルゥさんに安くて、ダンジョンに近くて、4人が暮らせる家探してきて」
「丸投げ…」
「まあその間適当な階で3人で稼いでくるからさ」
南国昆虫ゾーンを避けて混成モンスターゾーンを選んで僕らはダンジョンにもぐった。今回の大きな目的はミルに出来る限り戦闘をさせること。すげー苦労してあのダガー手に入れたけど、万が一ばかりであんまり使って無いんだよな。僕って基本ルゥの睡眠学習があるから戦闘として体動かすのは案外出来てる。複雑な剣術としての技量に結びついてないだけで。元病弱少女のくせに動けるなってだけでミルはそのあたり全く駄目。つかー魔法使いってそんなものなんだけどね…。つかー元々荷物持ちが欲しいから高いレベルの魔法使い雇っただけで、ミルに負担ばかりかけてる…。だがあのダガー本当に苦労したからな。
つかー自分の剣もそうだけど、本当にダンジョン武器って反則ぐらい強いな。僕から見ても拙い動きでバッタばったモンスターを倒すあのダガーなんなんだよ。
「それ酷いなー」
ダンジョン武器に苦しめられたフォウがダガー見て非難めいた感想を漏らしていた。
「フォウのダンジョンの戦利品だからな、そのうちさフォウにもと考えてるよ。ただねダンジョンの情報って中々無いらしい。攻略しようと思ってる冒険者がわざわざ教えるわけ無いからな。誰でも知ってるところばかり今の所制覇してきた。ところでミルは上達してる?」
《うんまあボチボチとただ私もサトルが言う剣の力って分かってきた。ダガーの力が大きいよね》
「後さなんかボコボコ攻撃受けてる気がする。それどうなん?元々ミル死にそうだったの知ってるからな痛々しくて」
《平気だよ。本当に私魔法+ダガー効果で多分このメンバーで魔法、物理どっちも一番ダメージ少ないと思うよ》
「どうも前のイメージで過保護になってしまってね」
フォウにもそういえば伝えてなかったのでミルと出会った頃の話をしておいた。そういえばすっかりルゥの事忘れていた。戻って報告でも待つか。しばらくするとルゥが戻ってきて、まだ時間も早いので見に行く事になった。




