マイルズ攻略
次の日僕らは16階に向かった。さて問題はフロアモンスターは表れるか?になる。駄目なら駄目諦めるつもりだった。犬がいるな。
「フォウごめん。フォウはいやだろうけど、僕らはあのモンスターを倒させてもらうよ」
ただフォウは僕らの戦いを邪魔するどころか最後まで関わろうとしなかった。なんと言うかえらく弱かった。まずフォウによるシンプルな僕のパワーアップ。フォウによって他に何が身についたのか?は分からない。ただそれだけと後、フォウに較べて圧倒的に知的さの感じない戦いぶり。ずっと感じていた違和感はなんとなく分かっていたけど、フォウは敵として多分一番強かったし賢かった。そもそもこの生物は賢いのか?それさえ疑わしかった。確かに4つ足を僕は苦手にしてるところがあったが、それほど困難な闘いじゃなかった。驚くと言うか何か裏を書かれてるような攻撃防御が全くなかった。普通に力が強く体力があるモンスターと戦っただけだ。結局僕が止めを刺した。なんとなく僕はこのモンスターを埋葬しようと皆に話して地面に埋めた。
「フォウ終ったよ。来てくれないか?」
僕は大声でフォウを呼んだ。
「あれ死体は無いの?」
「うーんフォウが見ると辛いでしょ?土に埋めた」
「ありがとう。思ったほどでもない。もしこの先メタモルフォーゼが表れたら僕も戦うよ」
「うん、でも出来たらあのモンスターとは戦いたくないね」
後味の悪い戦いだったけど、これを最後に切り替えようと思う。
「この件これで終わりにしたいから最後に聞いて良い?」
「良いよ」
「まず今回フォウほど頭が良くなかった。なんで?」
「個体差じゃないの?僕らのタイプすべてが知性が高いモンスターってわけじゃない」
「次に、何故変化して戦わなかったの?」
「うーんあくまで僕だけだけどさ、良い変化の方法が浮かばなかった。今なら飛行形体を選んでるね」
「そそ、それされると面倒だった。本当の形みたいのってあるの?今回も犬だったんだよ」
「偶然じゃないのかな。犬が別に原型ってわけじゃない」
そういってゼリーとかプリンみたいな形に変化した。
「あくまでさこれが原型ってわけじゃないけど、僕らって何かを真似してるんだよ。多分この形体だけ真似するものが無いんじゃないかな?と思ってる」
「そっか。まあ特に重要じゃないから良いか。最後なんでも変身できないとあったけど、じゃ得意なものはあるの?」
「あるよ。犬偶然と言ったけど得意は得意だね。後人型。翼人はあくまで人型のついでに過ぎない。鳥の変化も得意だからそこから派生で得意なわけじゃない。犬と人が得意。後人も何でもよりは、いつもの僕を幼くしたり大人にしたりが一番やりやすい。絶対無理なのは椅子とかテーブルとか、植物だね。後漠然としたものだけで、僕が人型が得意でもサトルにそっくりに変身するのはかなり難しい。変なサトルもどきになると思うよ」
「ありがとう、基本、犬、人、鳥を大きさ変える順なんだね」
さて、扉を開けた。
「汝力を求めるか」
「わが眷属ミルに相応しい武器を望む」
ダガーと財宝が表れた。ダガーをミルに渡して財宝を魔法バッグに入れて僕らは魔方陣に入った。外に出て思ったのはこれ複数のパーティーの場合どうなるんだろう…。僕らは町に戻って宿屋にもう出て行くことを話をして、買い取り屋の店長の所に行った。
「店長、ダンジョン攻略しました。入り口が土に埋もれるのを確認したので間違いありません」
「そうか、前も話したけど君が何か反省したり責任を感じたりする必要は無いから。私は臨時収入だったと割り切ってるから。ダンジョンが出来る前から宿屋の主人も私も店をやってるから」
「それでは短い間でしたがお世話になりました」
感傷的にはなっていたが、ちゃっかり僕は最後の数日間のダンジョンで得たものを換金してなかった。シティで売ったほうが高いから…。
シティに戻って様々なものを換金して、僕らはスグダンジョンの1階に潜った。荷馬車で十分休憩が取れたし、すぐにミルのダガーの力を試したかったから。圧倒的な近接の攻撃力。次にそれに準じた防御力。ミルの身体強化などの魔法を組み合わせるとミルは僕より高い防御力になった。そして極めつけはダガーなのに幅の広い間合い。これは剣の先の効果ともう一つミル独自のダガーに絡んだ魔法追加機能だった。何故こんな特殊効果が出たのか?は大体分かった。これはミルのための武器なんだと思う。
「ミル自身に聞きたい。僕の防御なしにも戦えそう?」
「魔法攻撃する時の詠唱の邪魔。これだけ助けてくれれば、後は独立してどうにかできるかも。後さモンスターによるとは思う。前からゴブリンはそれなりに戦えたから。でもわざとゴブリンの攻撃を受けたけど。魔法による身体強化の防御力は根本的に違うと思う。あの程度ならノーダメージでやり過ごせる」




