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短編・エッセイ

僕は『小説家になろう』です。

作者: 及川りのせ

 どうも、僕は『小説家になろう』です。

 え? 何言ってるのって? 僕は『小説家になろう』です。


 僕の脳みそは小説でできています

 僕の身体も小説でできています。

 僕の目玉は小説についています。

 僕の耳は小説を聞いています。

 お昼ご飯は小説だったし今夜のデザートまで小説です。だって僕は『小説家になろう』ですからね。


 あ、そこのあなた。そうそう、あなたです。僕のことを見ているそこのあなたです。僕もあなたのことを見ていますよ、だって僕の目玉は小説だから。


 ねえ、そこのあなた。ご飯はちゃんと食べていますか? なんだか顔色がよろしくありませんよ。

 お肉が好きだからってお肉ばかり食べてちゃいけませんよ。野菜も魚もとりましょう。お菓子だって食べていいし、時にはジャンクフードも食べてみよう。高級フレンチに舌鼓をうったなら、明日はかあちゃんの肉じゃがを食べましょう。色んなものを食べて身体を作っていこう。


 え? 何を言ってるんだって?

 僕の身体は小説です。良い小説、悪い小説、面白い小説、つまらない小説、長い小説、終わってない小説、そこに隠れた未公開の小説だって食べちゃいます。だって僕は『小説家になろう』だから。


 まあそんな暗い顔しないでよ。今日も薄汚い奴らが嫌なコメントを残したんだってねえ。

 大丈夫、僕が見ているから奴らを懲らしめてあげよう。


 まあそんな暗い顔しないでよ。誰も読んでくれない小説なんか書き続けられないって?

 大丈夫、僕が見ているから今夜あなたの夢に出かけよう。目立つようにピンクのライオンに跨がっていくからそのときはよろしくね。


 まあそんな暗い顔しないでよ。お気に入りの小説が止まってしまったからって嘆かないでよ。

 大丈夫、それは僕のここら辺で生きているから代わりにドロップを一粒あげよう。


 僕は『小説家になろう』です。

 三十八万の小説が全部僕のここら辺にあるから、何でもお見通しなのです。

 流行を乗りこなせないって悲しまないでよ。大丈夫、もうすぐあなたのライオンがやってくるから気にするなよ。


 あ、そろそろ予約投稿の時間だから行かないと。沢山の小説を大きな深呼吸で飲み込んでみせるのさ。なんだ、あなたの小説もあるんじゃない。

 お礼に僕の脳みそでできたドロップを一粒あげるから食べてみて。


 ねえねえ、ちゃんと口に入れた?

 これで僕とあなたはお友だちです。

 あなたが小説を書こうとするならそのドロップがちょっと悪戯してしまうよ。

 あなたが小説を読もうとするならそのドロップがちょっと悪戯してしまうよ。

 きっとちょっとだけ面白くなる悪戯だから、食べ終わったらまたきてね。もう一粒、僕の脳みそでできたドロップあげるから。


 それじゃあ、またね。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 『小説家になろう』くんに「大丈夫」と言われて、なんだかホッとしました。 ピンクのライオンを夢で待ちますね。
[一言]  「小説家になろう」を擬人化するとは斬新ですね!(笑)  でも元気をもらいました。  ありがとうございます!
[良い点] ちょっと元気になれた気がします
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