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天空遊園地  作者: ザクロ
9/18

ツインテールと影

「管理人、管理人!いるんだろ、いるなら返事してくれ!」

俺はメリーゴーランドにやってきた。しかし、これまで見ないほどの人だかりで、管理人の姿すらわからない

「そう慌てるなよ、お兄さん」

突然、俺の後ろに、金髪のツインテールの少女が現れた、俺より少し年上に見えるが・・・・これが管理人?

今まで、女の管理人はいなかった。だからそれは、驚きであり、新鮮であった

「あれ、そんな驚いた顔して。あぁ、そうか、今まで出会ってきた管理人が、男ばっかりだったからか。なぁに?見つめても何もできないわよ」

「いや、そんなのは望んでない。俺は、妹を探してるんだ。青葉空音という。そういう名前の少女はいなかったか?」

少女は、少しふてくされた顔をした。あれ、俺、なんか怒らせるようなことさせたっけか?

だが、少女の顔は、すぐに不敵な笑みへと変わった

「青葉空音、ふふふっ、その子ならさっき、遊園地に心を奪われたわよ」

俺の顔は、体は、心は、一瞬にして凍りついた。何が何だか、理解できない

「う・・・・嘘だろ・・・・俺は、俺は、手遅れだったっていうのか・・・・?」

「あら、一緒じゃなかったの?ざーんねんでしたー!それに、可愛いから、お城に送っちゃった

・・・・マスターのいる、お城に。

きっと、今頃、召使いたちが、可愛く飾り付けてるんじゃないかしら。きっと、マスターも喜ぶわ

しかし、不思議なことが続くものね・・・・さっきの、青葉空音は、苗字が一緒だったから送ったってのもあるけど

兄のあなたは、マスターそっくりね。声も、顔も・・・・

ただ、マスターとは性格が違う。マスターはあんたのような何もできない、弱い人じゃない。マスターは、子供たちの夢よ

あんたは、妹を救うことでヒーローになろうとしてるけど、マスターは、もうヒーローなんだから!!

あーあ、こんだけ言ったらすっきりしたわ。あんたをマスターと会わせてみてもいいかもね」

少女は、俺に鍵を手渡した。

「なにか言われたら、月野雪つきのゆきに、マスターに会うように言われた、って言えばいいよ。ヒーローのなりそこないさん!」

随分と、失礼なことを言われ続けた。そんなに俺は、気に障る事を言ってしまったんだろうな

だが、俺も何も言わずにそのまま逃げるわけには行かない

「俺は、確かに何もできないよ。無力な兄だ。俺が何もしれやれなかったから、空音は遊園地に憧れて、こんなところまで来てしまった。

だから、全ての責任は俺にある。俺が、空音を助ける以外、道はない。

俺はヒーローぶってる、ヒーローのなりそこないさ。

だからこそ、空音を助けて、ヒーローになってやるって、思ってるんだよ。

鍵までくれて、ご心配どうもありがとうございました。貧乳のお姉さん」

「・・・なっ・・・・!!」

俺は逃げるように、その場を去った。そして、少し先に見える、この遊園地の目玉といってもいい、お城へ向かって走った

あの月野の最後の、ひきつった笑顔は、なかなか面白かった

さぁ、今はもう置いといて、目の前のことを見つめなくては

すべての謎を解くために、妹を助けるために、ヒーローになるために

俺は、お城へと走っていった・・・・

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