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再会小話5 だから、幸せに5

 ワタシは要点をかいつまんで説明し、協力を要請した。

 始祖であるアースラの術を解く事には抵抗があるかも……と心配していたのだが、リオンは思いのほかアッサリとうなずいた。


「良いですよ。兄様のお仕事はもう数日かかります。その間はお店も休みで、僕も暇ですし。

 ただ、アースラ様の封印を解くことが出来るかどうかはやってみなければわかりません。それでよろしければ。

 今まで色々とご迷惑をおかけしてしまったことですし、お詫びとして協力は惜しみません」


 リオンは愛らしく微笑んだ。


 そうとも。本当に迷惑だった。今日も今日とて、本当に迷惑だった。


 しかしその言葉を鉄の理性で飲み下し、ワタシとリオンは封印を解くべく森に向かったのである。




「う~ん、コレは中々難しそうですね。

 さすがアースラ様。人の身でこれほどまでの術をかけるとは」


 廟の封印を見たリオンは感心したように呟いた。


「封印や結界を破りつつ戦う術の基本は習得済みですが、今の僕はあなたを体内に封じていた頃ほどの魔力はありませんし……」


「なら体を貸せ。ワタシがオマエの」


「イヤです」


 皆まで言わせず、リオンがワタシの言葉をさえぎる。


「お互いソレで嫌な思いをしたことがありますし、そういうのはよしましょう。

 それに僕は『難しい』と言っただけで『出来ない』とは言っていません。

 人の話はきちんと聞かなきゃですよ?

 ヴァティールさん」


 ……なんか、コイツにしみじみと説教されるとむかつく。

 アリシアの事、ろくに話も聞かずに刺しやがったくせに。






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