再会小話4・リオンのトホホ外伝 2
「ありますよ。女の子と付き合った事。
兄様も最初は僕が『普通に成長する事』を望んでらっしゃいましたし、僕も今のままではマズイのかな? と思った時期がありましたから」
リオンが事も無げに言う。
「げえッ。オマエにそんな時期がッ!!」
自分で『女の子と付き合う事』を勧めておきながら何だが、リオンのそういう姿がまったく思い浮かばない。
「失礼ですね。これでも僕は、女の子から告白されることがよくあったのです。
もちろんすぐに断わっていたのですが、兄様からの勧めもあったことですし16歳になったのを機に、女性とお付き合いをさせていただくことにしたのです」
ふ~ん。あの馬鹿兄よく……。
いやまて、どうせリオンのことだから『買い物につきあった』とか『ちょっと3丁目まで付き合った』とかだろう。
その手には引っかからないぞ。
――――――しかし、ワタシのその予想は見事に外れた。
「彼女を作るためにまず、兄様の助言に従い『彼女募集』の張り紙を貼ってみました。場所は店の入り口で、それなりに目立つ場所です。
すると約200名ほどの応募がありました」
マジかッ!!!
世の中、どうなっているのだ!!!
リオンを凝視しながら心の中で絶叫するが、『寝言は寝て言え』とか『ホラも大概にしろ』とか言ったら逆切れして封印されそうだ。
ここは穏便に済ますのが良いだろう。
「ふむ。中々のものだな。それで…………どうしたのだ?」
「全員と付き合いました」
リオンがにっこりと微笑む。
「200又かッ!?」
驚愕するワタシに向かってリオンは首を振る。
「そんな失礼な真似はいたしませんよ。
きちんと一人ひとり真剣にお付き合いさせていただきました。
……何故か…………あっという間に振られちゃいましたが」
ウム。やっぱりなァ。そうこなくっちゃあ!!
「どうせ兄の話ばっかりしてたんだろ」
うんうんと頷きながら『そうに決まっている!!』と、心の中で断定した。
が、――――どうも違ったようなのだ。




