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エルとリオンのトホホ外伝14

「おはよう、エル! リオン!」


 アリシアが明るく手を上げたとたん、リオンが警戒しだす。


 う~ん。アリシアとリオンは一時期少し仲良くなったこともあるのだが、今は全然駄目だ。


 実はアリシアは以前、天使のように清らかな俺のリオンに『猥褻な言葉』を教え込んだという前科がある。

 それで『彼女は信用ならない』『超危険人物だ』『一人では近づかないように』と弟に強く言ったのだが、少々効き過ぎたか……。


 いや、そんな事は無い。


 たった一回きりの二人でのお出かけで、ワザワザ『○玉』とか『股間』とか教え込むなど、いったい彼女は何を考えて生きているのだろう?

 リオンが人と比べて少々無知だったとしても、普通はもっと美しい言葉や、教養ある上品な言葉を教えるだろうに。


 ヤツは本当に女なのか!?

 実は女のふりをしているだけで、中身はオッサンなのではないのだろうか……。


 俺は女性であるはずのアリシアが『○玉』とか『股間』という言葉を口にしたと聞いただけでも目玉が1キロル飛び出るほど驚いたのに、アリシアは更に、


『今日はいているパンツの柄』


 までリオンに聞いてきたのだそうだ。


 ありえない。

 超ありえない。


 セクハラ以外の何物でもないだろう。


 どうしても『男のパンツの柄』が知りたいのなら、せめて純真可憐なリオンにではなく俺に聞けばいいのに、わざわざ天使のように無垢なリオンに聞くなんて『特殊な性癖』があるとしか思えない。


 それ以外は口が悪いことを除けばしっかり者で、皆からの信望も厚いのだが……本当に困った変態女だ。


 しかし俺は紳士だから、アリシアの性癖を言いふらしたりはしていないぞ?

 こんなに優しい俺なのに、どうしてアリシアはあんなにも俺にキツイのだろう。


 かといって彼女は、俺を嫌っているという風でもない。

 今も「おいでおいで」と手招きしているので、トレーを持って彼女の横に座る。


 更にその横に、リオンも嫌そうにしぶしぶ座る。


 ゴメン、リオン。

 そんなにイヤだったか……。


 でも少しは人馴れしないとな。

 それにアリシアは、例の件と、口が悪いという事以外はけっこう良いヤツなのだ。


 ちゃんとお前に卑猥なことを教えないよう注意もしておいたし、多分二人っきりにさえならなければ大丈夫なはず。

 更に言うなら、深夜こっそりアリシアの部屋に押しかけて、


「今後男のパンツの柄がどうしても知りたくなったなら、まずは俺に聞きに来い!」


 と男らしく言っておいた。(これはリオンには心配をかけるので内緒)


 アリシアの性癖の悪さは深刻なものがあるが、俺でよければ協力して直してやれるかもしれない。

 この俺の寛大な申し出に、彼女は無言になって俺を部屋の外に蹴り出し、乱暴にドアを閉めた。


 特殊な性癖を俺に知られて恥ずかしいのはわかるが、何も蹴り出す事はないだろう。

 まったく、こんな乱暴者が城一番の美女として他の親衛隊員や男どもにモテているなんて、何かのマチガイとしか思えない。


 しかし、たとえ彼女がマトモでなくとも、この俺がリオンの盾になるから大丈夫。


 リオンを安心させるために、にっこりと微笑むと、リオンもつられて笑ってくれた。




 



明後日番外編終了です。


リオンのパンツ事件などは、アリシア外伝http://ncode.syosetu.com/n1569bv/322/に詳細があります。

多少事実が捻じ曲がってエルには伝わっていますが、リオンに悪意はなく、素でそのまま話したのですが、兄ちゃんがガッツリ誤解しただけです。

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