表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
363/451

エルとリオンのトホホ外伝10

 何だかウルフに申し訳ないな……。


 でも俺を恨むなよ?

 俺はこの彼女には、何もしていない。名前さえ知らなかったぐらいだ。


 ああしかし、なんて罪作りな俺。

 友人の彼女が俺に想いを寄せていただなんて……。


 そう悩ましく思っていると、彼女は輝くような笑顔で更に一歩俺の方に進み出た。


 もしや告白?


 だだだ、駄目だって!!

 彼氏の居る女性が、そんなはしたないことは……。


 それにウルフだって、こちらを見てオロオロしたまま固まっている。

 いくら俺が美形だからって、彼氏の前で告白なんて可哀想じゃないか。


 しかし、そんな俺の困惑を無視して彼女は明るく言った。


「受賞おめでとうございますっ!

 さすがエル様ですわっ!!」


「え?」


 告白では……ない!?

 それに、受賞など、特にした覚えが無いのだが。


 予想と違う展開になった事にちょっぴり戸惑ったが、ま、いいか。

 どうせ告白されても、受ける気はなかった。

 ウルフとの友情にひびが入るのも困る。


 そんなことを考えながら、目の前の女性にニッコリと微笑みかける。

 営業スマイルは大切だ。

 俺の商売は人気が命。リオンが誇れる『人気のある』兄でいなくては!


 そのタイミングで、女性は言った。


「ブラコンランキング、ぶっちぎりの一位……本当におめでとうございます!

 先週号で拝見いたしましたけど、さすがはエル様!!

 他を寄せ付けない票の伸ばしっぷりでした!

 それと『顔』部門一位もおめでとうございます!!

 『性格部門』も『残念で賞』見事一位獲得で、三冠王、おめでとうございますっ!!」


 そう言って彼女は、キラキラした瞳で俺を見つめた。

 

 ええっ!

 そんなコンテストをやっていたんだ!?


 そして、ウルフの彼女もそれぞれ俺に一票ずつ入れてくれていたらしい。


 三冠王をどうもありがとう……って、『ブラコン』や『顔』部門一位はともかく、『性格部門』が『残念で賞』って何なんだよっ!!!


 俺は誰からもそんな話、聞いてないけどっ!!


 そういえば……最近いつもにも増して注目されてるな~と思ってはいた。

 けれど、それは俺が『美形』だからじゃなかったのか……。


 残念な男を見ようと思って、皆ジロジロ見ていただけだったんだ……。


 内心憤慨するが、ハタとある事実に気がついた。

 リオンはあの雑誌を全号読破していたはず。


 ヤバイっ!!

 俺の性格が『残念』なんて書かれていたら、リオンは間違いなく激怒する。


 もしかして、悪口を書いた雑誌関係者をこっそりと殺っちゃってたりしないだろうな!?


 ありうる……ありうるぞ凄く。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ