表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
33/451

8.鳥篭の外へ★

挿絵(By みてみん)

 いつものルートで、俺たちはこっそりと自室まで戻った。

 まだ早朝のため人はほとんどいなかったが、リオンが見つからないよう細心の注意を払う。


 フードを深くかぶり、ずっと顔を伏せながら歩いていたリオンは、俺の部屋に入るなり歓声を上げた。


「わあ……! ここが兄様のお部屋なのですね!! 色がいっぱいです!!」


 何もかも真っ白い部屋に、物心ついたときから住んでいたリオンは、色にとても興味を示す。


 神殿に通っている間に色についてはいくらか教えたし、外の世界には色があふれていることも教えた。

 でも、聞くのと実際見るのとでは、やはり全然異なるようだ。


 しげしげと眺めては、そっと触ってみる様子が、何とも愛らしく微笑ましい。


「お前、脱出するまで俺と一緒にこの部屋に住めばいいよ。

 あんな死体の置いているところに、お前を戻したくないし。

 母上はヴィーの世話で忙しいから、めったに自分からはいらっしゃらない。父やエドワードもここ1年は国事が忙しくて、まず部屋にまでは来ない。

 女官たちにも、この部屋への入室は禁じておく。

 ……まあ、元々そんなにこないけどな。12才を機に『なんでも一人でやりなさい』って母上が……。

 っと、それよりお前のほうも、地下神殿での食事の差し入れは朝にまとめて1度だって言ってただろ?

 その時間だけ、俺が戻って何とかするから、お前はここに居ればいい」


「……でも、僕には訓練とお祈りが……。

 僕はまだ仮の継承式しかしていない半人前ですけど、クロスⅦの代わりにきちんとしないと……それに修行もしないと、兄様のお役に立てる立派な神官魔道士になれません」


 リオンはそう言って、首を振った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ