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アリシア外伝・窓の外の雪 14
そう、一緒に掃除するぐらいでは仲良くなれそうもないので『食べ物』で釣ってみることにしたのだ。
思ったとおり、メニューのイラストを見ながら選ぶ彼は、ちょっと口元がほころんでいる。
……が、私の視線に気づくとハッとしたようにまた無表情に戻る。
ほんと可愛くない。
それでも料理が運ばれてくると、彼は大きな瞳を輝かせた。
そうして、ここだけは兄がきちんと躾けたようで、ちゃんと「いただきます」をして、スプーンを口元に運ぶさまは、エルじゃないけど確かにとても可愛らしい。