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アリシア外伝・窓の外の雪 11
「……ま、まさかパンツまで兄まかせじゃないでしょうね…………」
イヤミのつもりでボソッと呟くと、
「当然です!
今日のパンツは薄い水色に白のラインが入っていて、と~っても可愛いのですよっ!
それも兄様が吟味して……」
嬉しげに喋るリオンの口を慌ててふさいだ。そうして外に引きずっていく。
ああ、恥ずかしかった!!!
鉄の心臓を持つと言われる私だが、13歳にもなろうかという男の子が兄に買ってもらったパンツの柄を嬉しげに喋る場面には出くわしたことが無い。
それでなくとも美女の私と美少年のリオンは周りから常にチラチラ見られていて、さっきの会話も店中の人が聞き耳立てていたに違いない。
ああ、他人の振りしたいっ。
他人の振りしてダッシュで一人で帰りたいっ!!
しかし王の好意を無にするわけにもいかないし、今後リオンと仲良くなれる機会があるとも思えない。
我慢だ私……。
大人になれ私っ……!!




