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アリシア外伝・窓の外の雪 9

「リオン? アンダル産のお茶は見つかった?」


 何気なくを装って話しかけると、リオンは目を丸くした。


「ええっ! 僕が見つけるのですかっ!?

 アリシアさんの方がうんと年上なのにっ!!

 兄様だったら、すぐに見つけきて『これだよ』って優しく微笑んで下さるのにっ!!」


 ドやかましいわ。


 3才の子供じゃあるまいし、なんでそこまでやってやんなきゃなんねーんだよっ!!

 わたしゃ5歳のころには一人で10品ぐらい暗記してお使いに行っていたわっ!


 ……と喉もとまで出かかったが、ここで喧嘩になったら王に申し訳が立たない。

 せっかくリオンと仲良くなれるように気を使って送り出して下さったのだ。


 再びこめかみの辺りがピクピクするが、何とか押さえて私は平静な振りをした。


 そうして棚の見方を丁寧に説明し、お金の払い方も説明し、ついでにコイツは品物を無言・無表情で受け取りやがったので『お礼』の言い方まで懇切丁寧に説明する。


 はぁ。何で私がこんな目に。

 言えよ、礼ぐらい。

 私に言われなくたってさ。


 オマエいつもいつもいつも、兄にはバカ丁寧に礼を言ってるだろ。

 あそこまで常にやれとは言わないけれど、場をわきまえろ。


 でも多分、……リオンは過保護なバカ兄がお金を払って品物を受け取ってる間、いつもいつも『見てるだけ~』だったのだろう。

 それも、支払いの方ではなくバカ兄の美しい横顔の方をうっとりと。


 だからこういう『あたりまえのこと』が身についていないのだ。

 ここは私があのバカ兄に代わって何とかしてやらねば。



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