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アリシア外伝・窓の外の雪 7
「で、でもっ……」
名残惜しそうなリオンを再度引っ張ると、今度はちゃんとついてきた。
ほら、ちゃんと説明すればわかる子なのだ。
あのバカ兄がドアホだからこんな感じに育ってしまっただけなのだ。
でもリオンを見ると、それはそれはしょんぼりしていて、つい甘やかしてしまいたくなるのもわかるような気がする。
もしここで引き返したら……。
もしも引き返して、リオンが嬉しそうに眺めていたキラキラ輝くガラス玉のブレスレッドを買ってあげたなら……リオンは私に懐くだろうか。
懐いて私にも笑ってくれるようになるだろうか?
いやいやエルがあんなな分、私が厳しくしてやらねばこの子はおかしいまま育ってしまう。




