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アリシア外伝・窓の外の雪 6
「何やってんのよ、リオン!!
さっさと行かないと帰りが遅くなるわよっ!!
それでなくとも、もうずいぶん遅くなっているのに!!」
そう言いながら引っ張っていこうとしたら、振り払われた。
「アリシアさんは本当に意地悪ですねっ。
兄様なら『リオンが見たいならいいよ~』っておっしゃって、いつまでもニコニコ待っていて下さるのに。
それに僕が遠慮しても、何かキレイな物を買ってくださるのにっ!」
あ、あの馬鹿男は時間も場所も問わず、外でもド過保護全開なのかっ!!
アレが子供なんて持とうものなら大変な事になりそうだ。
事実、もう弟が大変なことになっている。
「……リオン。そういうのは帰りに見ればいいんじゃない?
私たちは遊びに来ているわけじゃなくて王命で『お使い』に来ているの。
さっさと用を済ませて、それからゆっくり見ましょうよ」
リオンの言動にピキピキと青筋が立ちそうになるが、かろうじて我慢し優しく接する。




