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リオン編   分かれ道5★

挿絵(By みてみん)

 ホテルの石壁を吹っ飛ばし、ホールに入る。

 せっかくのフォーマル服が少し汚れてしまったが、後でクリーニングに出せば問題ないはずだ。


 うん。

 やっぱり能力が、かなり上がっている。

 2年前なら、この規模では壊れなかったろう。


 吹き抜けになった高い天井を見上げると、ウチの城より豪華なシャンデリアが煌めいていた。


 うわぁ、綺麗……。

 どうせもうすぐ持ち主もいなくなるし、はずして持って帰っちゃおうか?


 いやいや、僕は何を考えているのだ。

 気高いあの兄の弟なのに、一瞬アリシアみたいなことを考えちゃったよ。

 恥ずかしいっ!!


 僕を『善なる神官』として、清らかに育てて下さったクロスⅦにも申し訳ない。

 きっと草葉の陰で泣いてらっしゃるに違いないよ。

 意外とあの方は泣くからなぁ。


 嘘ですっ!!

 

 嘘ですからっ!!


 あのシャンデリアをこっそりと持って帰って、売り飛ばして王の部屋の壁の弁償代に充てようなんて、そんな不届きなことは1ミリルたりとも考えてませんからっ!!!


 一人で赤面しながらも、今度はホールの隅々まで見渡す。

 

 生きている人は一人も居ない。

 まぁ、そうだろうね。

 そのつもりでやったし。


 ホールにいた人たちは石壁を壊すときの余波で、みんな肉塊となって散乱していた。

 余波とはいえ効果線上に居たのだから、まぁこんなもんだろう。


 片付けるのが大変だな……やっぱり剣でちまちま殺していったほうが良かったろうか?


 反射的にそう思ってから苦笑する。

 エルシオンの地下神殿に居たころ、生贄にした狼の肉片の始末は僕がやらなければいけなかった。


 でもここは敵地。

 放っておけば良いだけの事だ。



 

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