表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
256/451

リオン編   明日を歩く4

 嫌な客もたまにはいた。

 僕にベタベタ触ろうとしてくるのだ。


 もちろん、どんな武器を隠し持っているかしれたものではない他人に、むざむざと触らせたりはしない。

 接客用笑顔のまま、ひょいと身をかわすことにしている。


 また、うちの店はほぼ未成年ばかりの構成なので、警備は他店より厳重だ。

 おかしな客は即つまみ出した上に『出入り禁止』にしてくれるので、不愉快なことは少ない。

 魔剣を出して戦わねばならないような危険も、一切なかった。

 

 一方、兄様……じゃなくて『兄さん』は、数時間しかない私的な時間を、ほぼ僕のために使って下さっている。


 闘技が終われば僕と一緒に仲良く城に帰り、二人仲良く部屋で夕食を取りながら、楽しい話をいっぱいする。


 その後は一緒に勉強だ。


 兄さんは普通の子供がするような範囲の勉強はすでに終えていて、僕につききりで年相応の勉強などを教えて下さった。


 僕が学んできたのは神学と魔術と数学。それにエルシオンの裏歴史と闘技とクロス神官心得だけ。

 兄さんはそのことにビックリしてらっしゃったけど、僕だってものすごくビックリした。


 特に『道徳』の教科なんて、神殿で言い聞かされてきたこととは大きく違う。


 とはいえ、その教科書の筆者の言いたい事はわからなくもない。

 僕もそれなりに『外の世界』で過ごしたから。


 でもそれは、歴史に名を残したわけでもない、誰かの『キレイゴト』でしかない。

 アースラ様のお考えのほうが、ずっと深くてご立派だ。


 もしも僕が『キレイゴト』だけで生きていたならば、今頃僕や兄さんは死んでいる。もしくは誰かの奴隷となっていることだろう。


 そんなのを『素晴らしい人生』『豊かな人生』とは言わない。

 僕はそう思う。



今日?評価入れてくださった方、ありがとうございます♥

どなたがいれて下さったかわからないシステムとなっていますので、ここでお礼を言わせてくださいね♪

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ