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滅びの国の王子と魔獣 本編+外伝13作 最終外伝『だから、幸せに』完結  作者: 結城 
リオン編   壊れた国の少年(外伝となります)
188/451

リオン編   壊れた国の少年1★

本編を読んで下さった方々、感想・評価・レビューして下さったり、誤字等教えてくださった方々、本当にありがとうございました!

皆様のおかげで頑張れております!


さて次は、リオン視点の「滅びの国の王子と魔獣」になります。

彼に見えていた世界はどんなものだったのか……。


*リオン目線なので、本編よりヤンデレ成分高めです。

 コメディー率も高め。

 中ほどはかなりえげつないですが、こちらは本編最後で予告(?)していた、リオンが眠りから覚めて兄ちゃんと幸せに暮らすところ……でエンドです❤(100%ハッピーエンド)



挿絵(By みてみん)


イラストは兄ちゃんと出会う前の、髪が長い頃のものです。

背景の時計版はこちらからお借りしています。

http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=19294559




 僕はずっと夢を見ていた。

 幸せな、幸せな夢を。


 夢の中の僕は小さくて、神官服を着ていて、訓練は毎日とても厳しくて……でも 毎日兄様が、あの扉を開けて会いに来て下さる。


 だから僕は――――――――ずっと夢を見ていたかった。



 9才である僕の世界は狭い。

 物心ついたときには地下神殿にいて、ここで学ぶ事だけが僕のすべてだった。


 清浄の象徴たる白に囲まれた、小さな小さな世界。

 何の変化も起こらず「人」は僕と師であるクロスⅦ、2人だけ。


 でも、僕は満足だった。

 クロスⅦは厳しい人ではあったけれど、それは僕にとって必要な厳しさだったからだ。


 僕の使命、それはいずれ王となられる『僕の兄』をお助けして、この国『エルシオン』を守ること。

 だから、20歳になるまでに魔獣を意のままに操れるよう、神学と魔道を極めねばならない。

 

 学ぶべきことは山のようにあった。

 毎日血のにじむような努力をした。


 でもいくら厳しくとも、修行は僕の命までは奪わない。

 そして僕の心も殺さない。

 外にいらっしゃる兄様のご苦労に比べれば、それは何と小さな代価であることだろうか?


 『外の世界は恐ろしい』


 あのとてつもなく強いクロスⅦが「恐ろしい」とおっしゃるぐらいだから、本当に、本当に、恐ろしい場所なのだと思う。


 そんな恐ろしいお外から、父様や兄様は僕らを守って下さっている。


 だから僕は……そう、後に兄様に教えて頂いた言葉を使って言うなら『幸せ』であった。


 厳しい訓練も、お外で暮らす恐ろしさに比べればなんということはない。

 僕はまだ見ぬ『僕の王』のことを想って、ただ一心に修行するだけでよかったのだ。

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