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7.人質

「……あの子でなければならないのか?

 もっと他の人間……例えば、処刑予定の罪人などはどうだ?」


 伺うように聞く俺に、魔獣は首を振った。


「無理だなァ。

 他の体に移ること自体はたやすいが、リオンやエリス、もしくはオマエのように耐魔性のある体でないと、ワタシを受け入れることは出来ない。

 オマエは主人なので、どうやっても移ることはできない。

 エリスもリオンも駄目となれば、使えるのは普通の人間の体だけだが……普通の人間なら、私が乗り移った瞬間、心臓が止まる」


「じゃあ、……耐魔性のある罪人を探せばいいじゃないか!!」


「探してみるといい。

 言っておくが、耐魔性を持つ人間なんて10万人に1人も居ない。

 見つけたとしても、その体が美しくないとワタシはすぐ蕁麻疹が出て魔力を暴走させてしまう。

 まぁ、現実的なのは美しい体を持つ普通の者を広く集める事かなァ?

 ワタシは死体を動かすことが出来るから、心臓が止まってしまった体でも使うことはできる。

 ただ……使用する体が美しかったとしても、耐魔性の無い体なら、数日で崩れて暴走が始まる。

 だから、スペアは数百人用意しておいてもらわなくてはならない」


「数百人……そんな数は、罪人からでは用意出来ない!!」


「国民の中から探せば良いではないか。

 なんなら、他国からさらってきてやろうかァ?

 アースラはそうしていたぞ。

 合法的に美しい奴隷を買うのもアリだが、今のブルボア王国の財力では心もとない。

 王の性格を考えれば、そもそも、そのような事は認めないだろうしなァ。

 しかし糞アースラが居ない今、ワタシの暴走が始まったら、この国ぐらいは簡単に吹き飛ぶぞ。

 なにしろ、止められるものが一人もいないのだからなァ?

 さァ、『弟一人』を生かすために、数百人の犠牲を払えるならやってみろ。

 オマエの可愛い、可愛い、かけがえのない弟なのだろう?」



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