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7.明日を歩く

 儲かるにつれ、闘技場は段々と改装を重ね立派になっていった。

 改装のための労働者は、賭博で赤字になった奴らを安く雇ってまかなったという話だから、立派になったといっても使った国費は微々たるものだ。


 それでも今使ってるステージは前と違ってそれなりの高さがあるので、より多くの観客が闘技を観戦することが出来る。簡単な屋根もついたし闘技場の数も初期の二倍に増えた。


 また、国民だけでなく、近隣国からも相当数の、闘技目当ての団体旅行客などが来ている。

 これは治安がかなり落ち着いたせいもあると思う。


 しかしそれ以上に、王の営業活動が功を奏している。


 『美形闘士と安全に戦ってみませんか?』


 ……というパンフレットを近隣国の女性向け剣士学校に送りまくったせいか、まず女性挑戦者が格段に増えた。


 その女性挑戦者から噂を聞いたのか、ミーハーな一般女性団体客も俺たちの試合を見に来るようになった。


 また、


『美形はムカツク!! という貴方。美形を叩きのめして合法的に賞金を巻き上げてみませんか?』


 ……というポスターも、あらゆるコネを使って国内外に貼りまくった結果、もてない男性剣士客も激増した。


 闘技の参加者ではなくとも単に賭け事が好きだったり、話のネタに見に来ただけの物見高い野次馬団体客なども多い。


 王の打った様々宣伝ルートから運ばれてきた客で会場は賑わい、毎日大盛況だ。


 セコ過ぎる宣伝の趣旨はともかく、お客様は神様なので『男女を問わず』どなたも丁寧に扱うよう、王から厳格に指示が下っている。


 そこで親衛隊員は皆、そのように頑張った。

 どんなにむさくるしいムカつくおっさん相手でも、営業スマイルで頑張った。


 成果は倍々式に上がり、その頃の売り上げは目を見張るばかりだった。


 王から渡された資料によると、一般の金持ち客はもちろん、さしてお金のなさそうな荒くれ者団体でさえブロマイド等は複数買っていくし(負けた八つ当たり用に)、飲食の客単価が高いから結構お金を落としてくれるという。


 ほほう。売り上げ単価かぁ。教科書で習ったときには何の感慨もなかったけれど、実際の成果として表れると嬉しいものだなぁ。


 時々元王子が客単価を気にするようになったなんて……とビックリはするが、もう悲しくはならない。

 アルフレッド王の方がもっと客単価を気にしているし、セコイし、王族だからといって超然としていなければならないなんてことはないのだ。


 俺は今のままで十分幸せ。

 リオンとの暮らしも楽しいっ!!

 


 だから多分…………これでいいのだ。



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