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気持ち想像シリーズ

消しゴムの気持ち

作者: 峰崎 愁莉

 ・・・ったく、マジかったりぃー。


てか、なんなの?


いっつも端っこに置かれてさ。


そんで、使われたらポイッて投げられてさ。


どんどん頭がへこんでいくんだけど。


黒くなったりするんだけど。


あ、たまに色がついたりするな。


蛍光ペン? だっけか? 


あんなやつで書いた字を消そうとするときってさ、


たいてい、俺、メッチャ頭ゴシゴシされて痛いんだよね。


んで、ゴシゴシされまくれると、先の方が切れたりすんの。


アレの痛さは尋常じゃないね。


たまにハサミとかカッターとか、いろんなもので切られたりするしね。


「ちょwwww マジwwwww 痛いってwwwwww」


ってソフトに「やめろ」って言ってやってんのにやめてくれないし。


あ、俺の声は聞こえないのか。




たまに腹とかに緑のペンで名前書かれんの(笑)


それ、好きな人と両思いになるおまじないだろ。


「うわ、コイツ、あいつのこと好きなんだー」


とか、あっさりわかっちゃうんだよね。


誰にも見られずに?


俺、全部まる見えだけど。


てか、俺の腹に書く時点でおかしい(笑)(笑)(笑)



でもさ、ちゃんと考えてるよ。


両思いになりたくて、書いてるんだな。


あいつの気持ちってどうなのかな。


コイツのこと、どう思ってるのかな。


って。


俺、コイツにいつも大切に使われてるから。


必要とされてるから。


俺、それだけでうれしいから。


恩返しがしたいんだ。



・・・好きな人と、両思いにさせてやるよ。



コッソリ抜け出して、いつもあいつに暗示をかけてるんだ。





コイツはいいやつだよ。


俺のこと、ポイッって投げるけど、大切にしてくれてるよ。


コイツのこと、俺は大好きだ。


だからお前も、好きになれよ。


コイツのいいところ、見つけてやってくれ。




そうすれば、いつの間にかあいつは、コイツのこと好きになるんだよねw


俺、これ何度成功したと思う?


・・・1回だよ。


1つの俺達のイノチで、1つのカップルしかつくれねぇんだ。


しかも、これを試すヤツって、あまりもういねぇんだ。




本当はもっと、コイツに感謝したい。




いつも隣に置いてくれてありがとよ。


いつも「あれ、消しゴムどこー?」って、ちっぽけな俺を探してくれてありがとよ。


いつもキレイに使ってくれてありがとよ。


俺のイノチを、最後まで無駄にしないで使ってくれて、ありがとよ。




俺は、お前がやっちまった文字の失敗を、消してやる。


お前の悲しい気持ちとかは消せないけど、


全部、お前の気持ちは、


手の先から伝わってくる。




いくらでも、失敗していいよ。


俺が、消すから。


まだまだ、お前は、華生(書き)つづけられるから。

消しゴムのキモチを想像しました!

最後の「華生つづける」は、「『華』やかに『生』き『つづける』」の

略です。

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― 新着の感想 ―
[一言] ただの消しゴムの話なのに、この心にこみ上げてくるものはなんだぁ?貴方若いわりにようやりますよ。
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