表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/4

今日も今日とて

初めて小説を書いてみました。

学園×能力系×〇〇です。

気が向いたら更新したいと思いますが、もう8年くらい考えていた作品なのでいつか完成させたいです。

※文章書くの苦手なので、少しAIに手伝ってもらっています。

朝食を食べ終え、制服に袖を通しながら、何気なくテレビの端に映る天気予報へ目をやった。

「本日今朝、五時ごろ〜、街の……」


画面の中で原稿を読んでいるニュースキャスターは、今日も今日とて死んだような顔をしている。

毎日同じ表情、同じ声色。あれで感情があるのかと疑いたくなる。


靴を履き、カバンを手に取る。

台所にいる母に向かって「行ってきます」と声をかけてみるが、返事はない。

まあ、きっと忙しいのだろう。そういうことにしておく。


「病院に搬送されましたが、命に別状はないと……」


そんなニュースの音声を背に、俺は玄関を後にした。



俺は基本、私営バスで通学している。

たまに自転車で登校することもあるが、それは本当に遅刻しそうな時だけだ。


理由は単純で、俺はこのバスに揺られている時間が割と好きなのだ。

何も考えず、窓の外を眺めていられる時間は、学校に行く前の貴重な猶予みたいなものだから。


「旧御宮木校前〜、ご乗車ありがとうございました」


そんなアナウンスを聞き、バスを降りる。



教室に入り、自分の席に腰を下ろして一息つく。

朝の教室は、いつも通りわちゃわちゃと騒がしい。


「なぁ、今日の三限の課題、やった?」


隣の席の友達が、いかにも当然という顔で話しかけてきた。


「そんなの、あったっけ?」


正直に言うと、覚えていなかった。

つまり、やっていない。


「おいおい、しっかりしてくれよ。お前、記憶力いいんじゃなかったのか? 見せてもらおうと思ったのに」


なんて図々しい奴だ。

宿題は自分でやれ。……まあ、俺もやってないわけだが。


ピロリン。ヴ〜ヴ〜。


誰かのスマホが鳴る。


「ヤベ、通知切ってなかった。

……お、笑太じゃん。何事やろ」


そう言いながら、そいつはスマホを取り、電話に出た。


「え? 後ろの窓を開けて?

……お前、またか?」


そのやり取りの最中、チャイムが鳴る。

遠くの方から、担任の足音も聞こえてきた。


そんな中、電話の持ち主は、何事もなかったかのように後ろの窓を開けた。


次の瞬間。


外から、人が入ってきた。


「おっと、サンキュー。まだ、たっちゃん来てない?」


遅刻しそうになったらしい生徒が、窓から侵入してきたのである。


ちなみに、この教室は三階に位置している。


もう一度言おう。

ここは三階だ。


普通に考えて、常人が登ってこれる高さではない。

だが、この電話の主である笑太は、常人ではない。


というか――この教室にいる連中は、たぶん、全員がそうだ。


「はーい、みんな席につけー。チャイム鳴ったぞー」


担任の声が教室に響く。


そう。

ここは、特殊な能力を持つ者たちが、社会で生きていくために――

学校という小さな社会の中で、普通の学生と同じように学ぶための機関。


特殊能力学校である。


――と、校長は壇上で、いつもと同じ話をしていた。


体育館に集められ、体操座りのまま話を聞く。

眠そうな生徒、ぼんやり天井を見上げる生徒、

あくびを必死に噛み殺している生徒。


社会にはルールがあること。

能力は便利であると同時に危険であること。

だからこそ、ここで「普通の生き方」を学ぶのだ、と。


内容は、もう何度も聞いた。

入学してからずっと、ほとんど変わっていない。


それでも、この学校がどういう場所なのかは、

説明されなくても嫌というほど理解している。


ここは、

普通とは違う力を持つ者たちが集められた学校なのである。


朝礼が終わり、ぞろぞろと教室へ戻る。


「やばいって、課題終わってない」


後ろから、焦った声が聞こえてきた。


「笑太は終わった?」

「寝坊で遅刻してるやつが、してると思うか?」

「だよなぁ、知ってた」


……仕方ない、課題見せてやるか。


「俺は、さっきもう終わらせたよ」


「えぇ、はっや。流石完全記憶。俺らとは出来が違うねぇ」


お前は家でやってこいよ。


「煽ってる暇あるなら、早く映せよ」


……まあ、そうなるよな。


俺が課題の存在すら忘れていたのに、

もう終わらせることができている理由。


それは――俺の能力にある。


もちろん、俺にも能力がある。


俺は眠っている間、

“ある場所”へ行くことができる。


そこは、図書館のような、不思議な空間だ。

本が並び、机があり、時間の流れが曖昧で、

そこで起きたことは、現実にも反映される。


俺はそこで、課題をしたり、本を読んだり、

時にはだらだらと過ごしたりしている。


俺は昔から、

どこでも、いつでも、ほぼ一瞬で眠れる体質だ。


椅子に座ったままでも、

机に突っ伏したままでも、

気づけば意識が落ちている。


どこぞの、

「の◯太くん」みたいな特技だと思ってもらえばいい。


そのおかげで、

この能力を使うための“条件”を、

わりと簡単に満たすことができている。


俺は、この能力を勝手に

アカシックレコードと呼んでいる。


他人から見れば、完全記憶に近い能力に見えるらしい。

だが実際は違う。


俺は、覚えているわけじゃない。

必要なときに、そこへ行って、確認しているだけだ。


だから別に、天才になりたいわけでもないし、

悪いことをしたいわけでもない。


人より、少しだけ時間が多い。

ただ、それだけだ。


俺は基本、だらだらしているのが好きだ。

漫画を読んだり、小説を読んだり、

あとは、身の回りで起きている変なことを眺めていたり。


それで十分だと思っている。



四限目。体育の時間。


体育館には、

シューズが床を擦る音と、ボールの弾む音が響いている。


「笑太! パース!」


ゴール付近でボールを受け取った笑太は、

何かを呟きながら姿勢を整え、膝を曲げて跳んだ。


「左手は添えるだけ」


次の瞬間。


――ゴンッ。


ボールは、ゴールではなく、

体育館の壁に激突した。


「やべ、やっちった」


ピーッ。

試合終了。


さっき、三階の教室の窓から入ってきたこの笑太は、

運動能力の化け物である。


人とは思えない筋力を持ち、

下手をするとゴリラより強いんじゃないか、

なんて噂されているほどだ。


ただし。


完全に制御できていないらしく、

球技のような“繊細さ”が求められる競技は、からっきしである。


このように、この学校では――

特殊な能力を持つ者たちが、

社会を学び、能力を日常に馴染ませるために通っている。



放課後。


ガヤガヤした教室で、何人かと軽く挨拶を交わし、

俺は部活へ向かう。


と言っても、

その部活は、ほとんど活動していない。


そもそも、部活と呼んでいいのかも怪しい。


校舎とは別に建つ旧校舎。

今は部室棟として使われている場所だ。


窓の外では、

グラウンドの端が夕焼けに染まり始めていて、

部活へ向かう生徒たちの声が、どこか他人事のように流れていく。


俺はその流れから外れ、

並ぶ部屋の一番奥へ向かった。


――紅茶の匂いがする。


まだ扉は見えていないのに、わかる。

甘くて、少し重たい香り。


この学校で、この匂いがする場所は一つしかない。


ガラガラ。


「……ノックくらいしなさいよ」


扉を開けた瞬間、呆れたような声が飛んできた。


「年頃の女性が着替え中だったら、どうするんだい?」


少しイタズラっ子な言い方で、

ロングヘアのすらっとした女性が、足を組み、

片手に紅茶の入ったティーカップを持ちながら、

こちらをニヤニヤと見ている。


なんだその、おじさんのセクハラみたいなギャグは。


「その時は、その着替え姿をじっくり堪能させてもらいますよ」

「わぁ、君はそんな人だったのか。お姉さん、悲しいよ」


そんな茶番を軽く返しながら、

俺は持っていたバッグをその辺に置いた。


――いつも、こんな流れである。


部室は相変わらずだった。


棚の下段には埃をかぶったファイルが押し込まれ、

上段は完全に部長の私物で占拠されている。

ポット、茶葉の缶、マグカップ、読みかけの本。


その中心で、部長は悠々と紅茶を淹れていた。


ここは元々、オカルト研究部の部室だった場所だ。

かつてはしっかり「オカケン」として活動していたらしい。


だが、能力者の中には幽霊が見える者もいる。

そのせいで、オカルトと呼ばれていた現象の多くが解決してしまい、

次第に面白みがなくなっていった。


部員は減り、

部長が二年になる頃には、正式に廃部。


その後、

ここは「噂研究同好会」と名前を変えて存続している。


現在の部員は、俺と部長の二人だけ。

活動内容といえば、この部屋でダラダラ漫画を読んだり、

課題をしたり、ネットサーフィンをしたり――

要するに、ゆったり過ごすだけだ。


「今日は、いつもと違う匂いですね」


俺がそう言うと、部長は少しだけ目を細めた。


「お、わかるようになってきた?

 お姉さん、ちょっと嬉しいんだけど」


長い髪に隠れた片目の奥で、

楽しそうな笑みが浮かぶ。


そう言いながら、

カップにお湯を注ぎ、すぐにそれを捨てる。

手つきが、無駄に慣れている。


「アッサムよ。今日はそういう気分でね」


茶葉を入れ、改めてお湯を注ぐと、

部室に、さらに香りが広がった。


「君も飲む?」


「……じゃあ」


差し出されたカップを受け取る。

一口含むと、苦味の奥に、妙に落ち着く甘さがあった。


「ミルクもあるわよ。後で入れてみなさい」


言われた通り、途中でミルクを足す。


「……こっちの方が好きです」


「でしょう?」


部長は、満足そうに笑った。


それからしばらく、何も起きなかった。


ただ紅茶を飲み、

部長は本を読み、

俺は窓の外を眺める。


静かすぎて、

時間が溶けていく。


「そういえばさ」


ぽつりと、部長が言った。


「最近、ちょっと気になる噂があるんだけど」


「それは、久しぶりの活動宣言ですか?」


部長は、いたずらっぽく目を細める。


「君も気になるなら、そうかもね」


カップの湯気が、ゆっくりと立ち上っていた。

第一話、読んでいただきありがとうございます。

異常な日常を主人公が語る物語です。

次の投稿がいつになるかわかりませんが頑張ります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ