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婚約破棄された令嬢の身体は闘争を求める

作者: 抑止旗ベル

婚約破棄モノと巨大ロボSF復讐モノを掛け併せたら面白いんじゃね? と思って冒頭部分を書いてみました。



 スワン共和国の辺境地、ラギル領。


 メイオノール帝国との境界であるこの地を治めるスーグ・ラギル辺境伯は、領都の中心部にある城の大広間で、婚約者であるラナに告げた。


「ラナ・モントリヒト! お前との婚約を破棄する!」


 突然の宣言にラナは困惑した。


 大事な話があると呼び出され、大広間へやってきた直後のことだった。


 金の刺繍が施された豪奢な衣服に身を包んだラギル辺境伯は、広間の壇上からラナを見下ろすようにして言葉を続ける。


「そして俺はルシアと婚約することに決めた!」


 ラギルの隣には白を基調としたドレスを着た、幼い顔立ちの令嬢が佇んでいた。


「ラギル様……そのお方は?」


 状況が呑み込めないまま、ラナはラギルに尋ねる。


 そのとき、ラギルの隣にいる令嬢の衣服の襟元に刺繍があることに気が付いた。特徴的な蛇の模様。それは、隣国であるメイオノール帝国の紋章だった。


「ルシアを知らぬとは。なんと失礼で無知な女だ。ラギル領内では有力な地主の娘とはいえ、やはり伯爵である俺とは釣り合うはずもなかったか」


 ラナはラギル領の地主に引き取られた養子だった。端正な顔立ちと綺麗な銀髪を持つ彼女は十七歳の頃、とあるパーティでラギルに見初められ、そのまま婚約することになったのである。


「まさか――」


 記憶を巡らせ、ラナは令嬢の正体に思い至った。メイオノール家の紋章と、豊かな金髪。間違いない。


「ようやく気が付いたか。ルシアの正式な名は、ルシア・フロス・メイオノール。メイオノール帝国の第66王女なのだよ!」

「お初にお目にかかりますわ、ラナ・モントリヒト様」


 ルシアがラナに向かって品よく礼をする。


 ラナはさらに混乱した。メイオノール帝国は、ラギル領が属するスワン共和国と敵対関係にある。その帝国の王女と婚約するということは――


「スワン共和国を裏切るのですか、ラギル様?」

「裏切るなんて人聞きが悪いじゃないか。俺はただ、俺にとって有利な選択をしただけさ。スワン共和国はこのラギル領を帝国との折衝地としか見ていない。俺が帝国と共和国の間に挟まれてどんなに苦労したことか。帝国に滅ぼされたハルモニア王国を思い出してみろ。我が領土をあのようにするわけにはいかないだろう?」


 芝居がかった所作で苦しそうな表情を浮かべるラギル。


 しかしラナは、ラギルが他国との交渉は外交官たちに任せきりにして、自身は責任も取ろうとしなかったことを知っていた。


 ラギルの独白は続く。


「俺は大変だったよ。ラギル領の領主になってからというもの、帝国と共和国の折衝で心が休まる日が無かった。挙句、お前のような無知で無学な女と婚約してしまった。浅はかだったよ。政治的に何の役にも立たない婚約だった」

「しかし、私は……精一杯ラギル様をお支えしてきたつもりです」


 ラギルは他の領地を視察すると言って出かけることが多かった。もちろんそれは執務をやりたくないがための言い訳で、実際は他の領地の歓楽街で遊び惚けているだけだった。


 そうしてラギルが領地を留守にしている間、執務を肩代わりしていたのがラナだった。実質的にラギル領を経営していたのはラナだと言っても過言ではなかった。それが婚約者であるラギルを支えるためだとラナは自身に言い聞かせ、寝る間も惜しんで領地の経営を取り仕切っていたのだった。


「お前と婚約しても私の地位は何も変わらない。共和国に良いように使われる辺境伯のままだ。全く、役立たずの女め」


 ラギルは侮蔑するような目をラナに向けた。


「そんなお話はいいではないですか、ラギル様」


 ルシアが口を開き、甘い声が大広間に響く。


「ああ、そうだったな。ラナよ、もうお前に用はない――いや、最後に一つ大きな仕事をしてもらわなければならない」

「なんでしょう……?」

「俺はお前と婚約を解消し、ルシアと婚約する。これで俺は帝国に属する人間となる――このスワン共和国を捨ててな」

「そんな……ラギル領の民はどうなるのですか? 領主が居なくなるなんて」

「いや、領主はいなくならない。お前が継ぐのだ、ラナ」

「……私が?」


 予想もしない言葉に、ラナは意表を突かれた思いだった。


 そんな彼女はお構いなしにラギルが言葉を続ける。


「帝国は俺を第66王女の夫として好待遇で迎えてくれると約束してくれた。私の後任として領主を用意しておくことを条件にな」

「それが――私?」

「新しい領主としてせいぜい頑張るんだな。なあに、心配するな。お前が領主を務める期間はそう長くない」

「ラギル様、そろそろお迎えが来る時間ですわ」


 そう言ってルシアはラギルの腕に自分の腕を絡ませた。その仕草にだらしなく頬を緩ませながら、ラギルは言う。


「そうだったな。ではラナよ、さらばだ」


 ラギルがルシアに手を引かれ、大広間の壇上から降りて来る。


 そしてラナとすれ違おうとした瞬間、広間へ一人の青年が駆け込んできた。


「ラギル様、大変でございます!」


 それはラギル軍若手将校の、クラヌス・ルーフ少佐だった。


 ラギルは鬱陶しそうに眉を顰めながら答える。


「簡潔に報告しろ。何が起こった?」

「帝国軍の侵略です! 国境を越え、メイオノール帝国が攻めて来たのです!」


 必死に報告するクラヌスを見て、ラギルは突発的に笑い出した。


「くくく……ははははははっ!」

「ら、ラギル様……? どうなされたのですか!? 領地が侵略されているのですよ!? これは明確な敵対行為―――」

「なるほど、こういうことか。さすがの手腕だな、ルシア」

「お褒めに預かり光栄ですわ」


 ラギルの言葉に微笑みながら一礼するルシア。


 それは奇妙な光景だった。


 領地の侵略を受けているはずの領主と、侵略している国の王女が談笑している。


 ラナは戦慄した。


「まさか―――ラギル様、このことを知っていたのですか? いえ、知っていたと言うよりは……こうなるように仕向けたのも、あなたなのですか?」


 ズンッ、と地鳴りがした。


 大広間の窓からは人間の10倍ほどの大きさをした巨人――駆動鎧クロスと呼ばれる人型の兵器が見えた。そしてその肩にはメイオノール帝国の紋章が刻まれていた。


 ラナは窓に駆け寄って外を見た。


 空中に浮かぶ輸送艇から射出された帝国軍の駆動鎧は、大広間のある城を囲むように次々と着地し、そのたびに地面を揺らした。


「その通りだ、ラナ」

「!」


 ラギルが言い、ラナが彼へと振り返る。


「帝国がラギル領へ直接的な侵攻を行うことは以前から決まっていたのだよ。だが帝国は、俺の後任の領主を決めておくことを条件に俺を帝国に迎え入れると言ってくれた」

「……あなたの後任ということは」

「そう、帝国の侵略後に処刑される運命の領主さ。役立たずのお前だったが、最後の最後で役に立ってくれそうだ。俺の身代わりとして処刑されることでな」

「スーグ・ラギル! あなたは……!」


 ラナの声を掻き消すように、大広間の屋根が一部破壊された。


 ガラガラと崩れる屋根の瓦礫の向こうから、帝国軍の駆動鎧が顔を覗かせる。


「帝国の駆動鎧……『プルガ』」


 ラナは無意識の内に呟いて、なぜ『プルガ』という名称をスムーズに思い出せたのかに違和感を覚えた。日常で使うような語彙ではないはずなのに、まるで日頃よく口にしているフレーズであるかのように感じた。


 重厚な鎧に身を包んだような見た目のプルガは、その相貌でラナを見下ろすと、腕に構えた駆動鎧用の巨大なマシンガンをラナへ向けた。


「ラナ様!」


 クラヌスが叫び、ラギルは隣のルシアに小声で尋ねる。


「ここで処刑するのか?」

「良い機会です。侵攻直後の混乱で領主が死んだとなれば、以降の侵略活動が円滑に進みますわ」

「そうか。せめて床は汚さないでくれよ」

「ご心配なく。ラギル領の政治の中心として利用されたこの建物は、帝国の統治後に建て替えを予定しておりますので。汚れたとしても一時的なことですわ」


 マシンガンの巨大な銃口を前に、ラナは一歩も動けなかった。


 混乱していた。


 大事な話があると呼び出された――そこまでは理解できている。しかしそれから突然の婚約破棄、次期領主への指名、そして処刑。


 死が目前に迫っていた。自分の身に何が起こっているのか分からないまま殺されようとしていた。


 城の周辺は既に帝国軍の駆動鎧で包囲されている。逃げ場はない。


 プルガの腹部にあるコクピットの中で、パイロットが操縦桿と連動するマシンガンの引き金に手を掛ける気配があった。


 その瞬間だった。


 上空から巨大な黒い影が舞い降りた。


 漆黒のカラーリングをした細身の駆動鎧。重装の歩兵を思わせるプルガとは明らかに意匠が違うその機体の右半身は幌で覆われていて、左腕には青色に輝くレーザーブレードを装備していた。


 突然の乱入者に、場が膠着した。


 直後、漆黒の駆動鎧は左腕のレーザーブレードで、ラナに銃を向けるプルガを一刀両断した。


 人間で言えば肩からわき腹にかけて切断されたプルガは、物も言わずその場に崩れ落ちた。その衝撃で大広間の壁の一部が崩壊し、漆黒の機体はその隙間に胸部を押し当てるようにして屈みこんだ。ちょうどラナの目前に胸部が現れるような形になった。


「なん……なの……!?」


 ラナが呟くのと同時に、漆黒の機体の胸部が開く。


 コクピット部分のハッチらしいその扉の向こうから、黒と白の衣服――いわゆるメイド服に身を包んだ黒髪の少女が姿を見せた。


「……お迎えに上がりました、ルミナス――いえ、ラナ・モントリヒト様」


 ラナとあまり歳も変わらないような少女は、そう言った。


「あなたは……!?」

「私はレイサリア・カラサ。あなたにお仕えするものです。さあ、早くこちらへ」


 レイサリアがハッチからラナへと手を伸ばす。


 それを見計らったように、大広間へ乱入者があった。帝国の兵士たちだ。


「……ラナ・モントリヒトを殺してくださいな」


 ルシアの合図で、兵士たちが一斉にラナへと銃を向ける。


「!」


 ラナは咄嗟にレイサリアの手を取った。直後、レイサリアは少女とは思えないような力でラナをコクピットへ引き上げた。


 同時に帝国兵が銃を掃射したが、銃弾は漆黒の機体の装甲に弾かれた。


「あら、この展開は予想していませんでしたわね」


 不愉快そうに目を細めて呟くルシアに、ラギルは他人事のようにヘラヘラと笑う。


「なあに、あんな小娘には何も出来ないよ。帝国軍に包囲されて終わりだ」

「良いのですか、ラギル様」

「何がだ?」

「万が一にもラナを逃がすようなことがあれば、帝国は代わりの犠牲を求めますわよ」

「……つまりどういうことだ?」


 ほんの一瞬だけ、ルシアの表情がラギルを侮蔑するものに変わった。が、すぐにいつもの微笑みに戻った。


「ラナの代わりに処刑されるのはあなただということですわ」

「な、何!? そんな馬鹿な……! お前ら、なんであんな小娘一人に手こずってるんだ! 銃を貸せ、俺がやる!」


 ラギルは傍らの兵士から自動小銃を奪い取ると、漆黒の機体のコクピットめがけて乱射した。ちょうど機体のハッチが閉まろうとする瞬間だった。


「ラナ様!」


 発砲に気づいたレイサリアがラナの前へ身を投げ出す。偶然ハッチの合間を潜り抜けた弾丸が一発、レイサリアの胸元に命中した。


「っ……!」


 レイサリアが呻く。


「あなた……!」

「大丈夫です。さあ、パイロットシートへ」


 ハッチが完全に閉まり、銃弾が装甲で弾かれるような甲高い音がコクピット内に鳴り響いた。


「でも、手当をしないと……!」


 ラナは操縦席の背面にある救命セットの箱を取り出した。が、中は空だった。そして――なぜ自分がそこに救命用の器具があることを知っていたのだろうと疑問に胸がざわついた。


「大丈夫なのです、ラナ様。私は」

「で、でも」


 躊躇うラナを前に、レイサリアは衣服の胸元を開いた。


 白い胸が露になった瞬間、ラナは息を呑んだ。


「ご覧ください。血は一滴も流れていないでしょう」


 鎖骨の辺りに残った銃痕――そこから覗いていたのは、人間の血肉ではなく欠損した電子回路だった。


「レイサリア、あなたは一体……!?」

「私はあなたにお仕えするもの。第三世代型アンドロイド、レイサリア・カラサです。さあ。席へ」


 レイサリアに促されるまま、ラナはパイロットシートに座った。


 その瞬間、彼女の脳に膨大な情報が流れ込んだ――いや、蘇った。


「わ、私は……ラナ・モントリヒト……ではない……!」

「そうです、ルミナス様」

「私はハルモニア王国王女、ルミナス・ラ・ハルモニア……!」

『バカ共、何をやってる! さっさとあの機体を破壊して中にいる女を殺せ!』


 機体のモニター越しに、ラギルが叫ぶ声が聞こえた。


 それに呼応するようにして、数機のプルガが漆黒の機体を包囲し始めた。


「レイサリア、サブシートに座っていて」


 ラナの言葉に頷いて、レイサリアは操縦席の背後にあるサブシートに座った。


『黒い機体に警告する! 抵抗はやめて投降しろ!』


 ラナの乗る機体の周囲を取り囲み、隊長機らしいプルガが外部スピーカーで告げた。


「殺されると分かっていて投降するとでも?」


 ラナはモニターで周囲の状況を確認しながら、シート脇のタッチパネルで機体データをチェックした。幌が掛かっている右半身は損傷が大きく、使える武器は左手のレーザーブレードしか残っていなかった。


「多少荒っぽくなるわ、レイサリア」

「慣れています、ルミナス様」

「しっかり掴まっていて!」

『もう一度繰り返す! 黒い機体、直ちに投降し――』


 漆黒の機体は人間のように身を屈めると、プルガのセンサーが追尾できない程の高速で敵の隊長機の背後に回り、レーザーブレ―ドを横薙ぎにして敵機を焼き切った。


『な……なんだ、こいつの動きは!?』


 隊長機を破壊され統率が乱れたプルガたちはラナの機体めがけてマシンガンを乱射した。が、ラナはその銃撃を掻い潜りながら更に一機のプルガに接近し、レーザーブレードを振るって破壊した。


 そして振り向きざまにもう一機のプルガを両断すると、ラナへと向かって来た機体へレーザーブレードを突き立てる。


 最後の一機が力尽きたように地面へと崩れ落ち、ラナを包囲していた四機のプルガは一瞬でスクラップの山と化した。


「さて――次は」


 ラナがレーザーブレードを大広間へと向ける。


「ひ、ひいっ!」


 ラギルは悲鳴を上げ、ルシアに縋りついた。


 その時、一発の銃声が響き渡った。


 直後、ラギルは怯えた表情のまま、脳天から血を流し地面に倒れこんだ。


「……!?」


 ラナは目を疑った。


 床に伏せ血だまりを作るラギルへと銃口を向けていたのは、ルシアだった。


「帝国へ侵攻を企てたラギル領主スーグ・ラギル辺境伯は処刑いたしました。帝国は自国領土を守るためにラギル領へと進軍します。これは正当防衛ですわ」


 冷たい表情でそう言った後、ルシアはラナの乗る駆動鎧のコクピットを見上げた。


 ラナはモニター越しにルシアと目が合うのを感じた。


「結局はあなたの計画通りというわけかしら。ラギルを利用しこの領地へ侵攻することは、最初から決まっていた――」

「案外聡明なお方なのですね、ラナ・モントリヒト様。こんなに素直で単純な――バカで脳ナシな辺境伯様と婚約されるというのですから、彼と同程度の人間かと思っておりましたわ」

「……この領地をあなたたち帝国の思い通りにはさせないわ!」


 言いつつラナはレーザーブレードをルシアへ振り下ろそうと操縦桿を握った――瞬間。


「――危険です、ルミナス様」


 ロックオンされたことを告げるアラームがコクピット内に響き渡った。


「!」


 反射的にラナが機体を後退させた瞬間、敵の長距離射撃が眼前を掠めていった。


「帝国の増援だというの……!?」


 モニターの片隅を拡大すると、地平線の向こうから更に数機の輸送船と、その片翼で長距離砲を構える一機のプルガの姿が見えた。


 レーザーブレードのエネルギー残量はわずか。あの数を相手に出来るような状況ではなかった。


 ラナが判断に迷ったとき、不意に音声通信が流れ込んできた。


『……ラナ様、自分です。クラヌスです』

「無事だったのね」

『混乱に乗じて脱出しました。ラナ様も脱出してください。ここであなたを失ってはラギル領の再建は成りません。軍の残存する駆動鎧で援護射撃を行います』

「このまま敵と刺し違えても良いのだけれど」

『いけません。残された民はどうするのです』

「……分かったわ。集合地点は?」

『南西のポイント463――ラギル軍の駐屯所がある地点です』

「了解」


 ラナはモニターの片隅に周辺の地形を表示させ、タッチパネルを操作しクラヌスが指示した地点をマーキングした。


「……ラナ・モントリヒト。あなたのことは忘れませんわ」


 睨みつけるようにラナを見上げるルシア。


「帝国はラギル領をどうする気なの?」

「本国のお兄様たちやお父様が何を考えているかは知りませんわ。私はただ、この地を征服してお庭代わりにするだけ。その許可は得ていますから」

「侵攻を止めるつもりはないということね」

「ラギル領の領都は私たちが制圧しておりますのよ。あなた一人が頑張っても無駄ですわ。既に他の軍事拠点へも攻撃が始まっています。私たちが圧倒している状況なのに、どうして侵攻をやめなくてはならないのかしら?」

「そう。―――ならば、闘争しかありえないわね」

「……ルミナス様」


 サブシートでレイサリアが呟く。ラナは振り返り、彼女に向かって頷くとバーニアを全開にして後退した。


 直後、ラギル軍の残存戦力による援護射撃がラギル領都の城を襲った。


 漆黒の機体は爆炎を潜り抜け、その場から急速離脱した。

 



読んでいただきありがとうございます。

冒頭部分だけですみません。

「面白い!」「続きが気になる!」と思っていただけた方、評価いただけると嬉しいです。

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