M-258.0525.1904 破綻の足音
モニターに映し出された数値が基準値を大幅に振り切り、メーターたちが騒いでいる。いくつかはエラーを吐き出し、データが途絶えていた。
二代目の入れ知恵か?ミィーダの出力がアップ……。六枚なんて出してたらすぐガス欠するんじゃ?
いやウェイト。
発生したミィーダ波は電気通信を始めとして、あらゆる情報伝達を妨害する。
魚石アスカは超高出力のミィーダ波を町にディフュージョンしていた。
つまり?
「あ」
ドミナンスが支配下においていた手駒たちが一人、また一人とダウンしていく。
人数のアドヴァンテージ。人質としての駒が。
「ドミナンスのミィーダ波よりもストロングなミィーダ波を発生させて打ち消した……?」
力技だ。
「オーマイゴッド……」
ドミナンスとて、真化を経て相当強力なミィーダ波を発していたはずなのに。
圧倒的な強者の攻略法だった。
「いや、まだ焦るときじゃない……すーはーすーはー」
洗脳波は攻略されたが、単体でも弱くない。
スモールサイズになったことで、動きが非常にスピーディになったドミナンス。建物の壁をピンボールのように跳ね回り、加速。唸りを上げて突進した。
「ゴーゴーゴー!!!」
炎翼で弾かれてしまったが、ノープロブレム。
魚石アスカは凄まじい勢いでミィーダを消費している。そのまま消耗させろ!長期戦に持ち込めばウィン!!ウィナードミナンス!!
「いーぞいーぞぉ……あえ?」
新しい警告音が鳴り出した。レーダーマップの端で、点が一つ異様な速度で動いている。
その正体は考えるまでもなく。
肩を落とし、背もたれに倒れ込んだ。
この星に六片しかないS級。
日本で唯一のS級が、すぐそこに。
お疲れ様です。
魚石アスカは、また失敗するんでしょうか。
攻略の行方、援軍の合図。
次回更新も一週間後、12月5日の予定です。
状況を整理します。




