A-018.0525.1845 ドミナンス戦5
「おねがい、また力を貸して」
ペンダントのNコードを起動し、ヒカリを呼ぶ。
いつもと変わらぬ姿で現れ、安堵した。
やはり、呼び出していたヒカリの身体は本体ではない。丸々ミーダの塊だったのだ。
どれだけ傷ついても、ミーダが用意できれば再び呼び出せる。
流石にもう余力はないので、長期戦は厳しいけれど。
「無理させてごめんね。ヒカリ」
「きぃいい!!」
身体を揺らし翼をばっさばっさとはためかせて抗議するヒカリ。おまけに頭を小突かれた。
「いたた、ごめんなさい……間違ってる?ああ、そうね言ってなかったわ」
「助けてくれてありがとう。ヒカリ」
満足そうに翼を振るい、背中を向けた。乗っていいらしい。
「大きいねぇ」
藤子は目を見張っている。
「怖くないかしら?」
「アスカちゃんの家族なんだよね?」
「ええ」
「じゃあ大丈夫だね」
お邪魔します、とヒカリの背中によじ登る藤子。あまりに自然なものだから、こちらが戸惑う。ここまで来たら変に気を遣う必要はないんだろう。
「わーふわふわだ。作戦とかあるの?」
「本体を叩くわ」
「……え、それだけ?」
「シンプルでしょ。飛ぶわよ」
「わっ」
大きな翼をはためかせ、宵の霄へ飛び上がった。
山羊の位置はミーダ感知で把握しているので一直線だ。
「?」
追い始めてすぐ、山羊の片角が強い光を放ちながら離れていくのが遠目に見えた。
「ヒカリ、速度上げれる?距離を詰めたいわ」
「きぃ!」
ヒカリが応え、サーマルに乗り高度を上げる。
「え、え、高いよ!?」
「藤子!しがみついてて!」
「え!?」
低めの雲を近くに見るほどの高度に到達した。
落下の弾みを利用し滑空、加速へと繋げる。
「うわああああ!!!絶叫系はニガテなのにぃいい!!!!」
藤子の絶叫を背中で聞きつつ、目標を追う。
お疲れ様です。
ヒカリも再度登場、一安心です。藤子もセットで動きます。
早いもので、投稿を始めて一年が経ちました。相変わらずゆっくりとした進行になってますが、お付き合いいただけたら嬉しいです。
次回更新も一週間後、11月21日の予定です。
よろしくお願いします。
戦闘に入ります。




