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R-027.0525.1823 延長戦


 小さな村を走破し、多数の敵性体を、ものの数分で切り伏せた。

 結局、逃げ遅れた村民は見当たらなかった。まるで最初から居なかったみたいだ。

「これで最後だ」

 アヌンライトを砕き、魔石獣が気化するのを見届ける。すると、

 ザッザッザッ

 非常時であるにもかかわらず、慌てていない足音が背後から二つ近づいてきた。

「あいかわらず、ミーダリベレーション、へた」

「苦手だって言っただろ」

 振り向き言い返す。

「ひさしぶり。ゴースト」

「その呼び方、気に入ってないって言ったよな。アメリカちゃん」

 少し舌足らずだが日本語を話すまだ身の丈小さなブロンドヘアーの少女と、少女の背後に立つ優に二メートルを超すスキンヘッドの大男。アンバランスな二人組はどちらも軍服を着て武装していた。

「半年ぶりか。なんで日本に居るんだ?」

「しごと。そんなことも分からない?やっぱり、バカ」

 口悪いな。きゅるんと擬音がなりそうなほどかわいらしい見た目から出た言葉とは思えなかった。

 彼女らが派遣されてきたとは聞いていない。

「そうか。なにしに来たか気になるが、見ての通り忙しいんだよじゃあな」

「まって」

「なんだよ、忙しいって言っただろ。ビジーだビジー」

「しごと、アスカウオイシ、ほご。する」

「……は?」

「しごと、はじめる。止めれる?ゴースト」

 保護って、その言い方は。

「お前とは、ぶつかりたくないんだが」

「でも、わたしアスカウオイシつかまえる。ざこでとめる、むり」

 捕まえるって言っちゃってるじゃん。もうちょい隠せよ。代表みたいなもんだろうに。

「しかたない。アスカウオイシ、ほごする」

 大げさにため息をつき、すれ違う彼女の肩をつい掴んでしまった。

「待てよ!ここは話し合いで」

 パスッ

 (かわ)いた音が俺の腹部に向けて発せられた。

「ぐっ……」

 腹が、熱い。身体の力が抜け、膝をついた。

 アメリカちゃんの手にはサイレンサー付きのM9が握られている。

「ゴーストから、こうげき、した」

 言い返したかったが痛みでまともに喋ることは叶わず。

「くそ……」

 息苦しくなってきた。仕方ない。

 扶桑剣を呼び出す。幽体化。即時、身体を再形成する。傷が消えた。

「時間がない、帰ってもらうぞ」

 少女は口の端に笑みを含ませ、目線で合図を送った。大男が体躯に見合わぬ素早さで俺たちから離れていく。賢明な判断だ。

 さっさとアメリカちゃんを無力化しよう。


 二人共々、帰ってくれればそれで良い。

お疲れ様です。


急に新キャラが来ました。

平然と発砲してきます。魚石アスカの保護が目的と言っていますが……?


次回更新も一週間後、9月5日の予定です。

よろしくお願いします。


アスカ視点に戻ります。

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