A-018.0525.1819 気がかり
東京基地に木霊するけたたましいサイレンに急かされ、エレベーターへ向かう。
藤子は、わたしが地上のどこに居るか正確な情報を知らない。歩き回る藤子の姿を想像し探したものの、周囲にそれらしき人影は見当たらなかった。
「ホントに居るの?藤子……」
「アスカちゃん?」
「比女さん」
後ろから名前を呼ばれた。
「あははー鮫浦先輩ってば勇んで出てっちゃったみたいだから。早く集まろー」
「……そうですね」
たくさんの荷物を抱えた比女さん。
つい飛び出してきてしまったが、今のわたしは魔石特務部隊の一員であり、職務を優先すべきである。冷静を欠き、認識が足りなかったと反省した。
藤子の所在は気になるけれど。それは事態を収拾してから。
「みなさんは八重洲口側でしょうか」
「そうだねー。一緒に行こっか」
「はい」
直後。
ズシン!!!!!
地面が揺れ、ふらついた。
揺れが収まり、周囲を確認する。異常なし。衝撃は外から。
これは、足音だろうか?重量感のある音が断続的に響いていた。
人の悲鳴、破壊音が続けて聞こえてくる。
「アスカちゃん。急ごう」
「はい!」
比女さんも顔色が変わっていた。
八重洲口を出て、広場の先で見たものは。
建物を踏み荒らし、鮮血を浴びた、片角の巨大な山羊だった。
お疲れ様です。
バタついてきました。
それぞれ動いているのですが、ここでは言えませんね。
構成上視点がころころ変わるため、分かりづらいかとも思いますがついてきてもらえたら嬉しいです。
次回更新も一週間後、8月8日の予定です。
よろしくお願いします。
巨大な敵を前にみんなはどう動くのでしょうか。




