A-018.0520.1216 調べ物1
昼休みに入り、基地塔部の売店へと向かう。
いつものサンドウィッチとオレンジジュースを買い、いつも通り八重洲口を出た先にある広場のベンチに座った。
雨の日でもこのベンチなら屋根続きで濡れる心配もない。
広場をぐるりと囲むようにお店や背の低いビルが立ち並び、昼間は人通りもある地上東京の要所だ。
ここは、高い霄が見れる。
仮入隊して、三週間が経った。座学は、二週間足らずで終わってしまった。
アヌンライトやNコードについて分かっていることは大体聞き終えたらしい。
「悔しいが今の時点では!分かってることが少ねえんだよ。もう教えることはない!残念だったな!」
と、湾野班長に言われた。
午後から始まる基礎トレーニングにも慣れ、楽しめるようになった。
走るルートは東京基地近辺。
パトロールも兼ねており、曲がりくねった路地や坂道をたくさん通る。畦道までコースに入っているのは変わっていると思う。
町の人とも交流ができた。買い出しで知り合った人は多い。魚屋の堺さんに豆腐屋の圧司さん、花屋の埋見さん、服屋の堕村さん。
繋がりができると自然と知り合いは増えていった。
後援班の連携も覚えた。確認も怠らない。
まだ実戦はないが、きっと遂行できるはず。
鮫浦副隊長が居れば模擬戦を行う。
しばらく時間を空けると言われたときはちょっと恨んだくらいだったけれど。
指導のおかげか、初日からはかなり成長したと自負している。
今やそうそうバテることはない。攻撃も凌げるようになってきた。でも攻めに関しては手こずっていて、鮫浦副隊長も一緒に考えてくれている。
新しいことを色々試すためにも相手をしてほしいけれど、当の鮫浦副隊長は居ないことが多かった。
魔石獣が出たらすぐさま跳んでゆき、わたしたち後援班の到着前には片が付いている。
対応が終わっても、外出したままその日は帰ってこなかったり。
調べ物があるんだとか。
お疲れ様です。
地上に来てから三週間、魚石アスカも落ち着いてきました。
彼女はトレーニングを楽しむことができる。フィジカルエリートの匂いがします。
次回更新も一週間後、7月4日の予定です。
よろしくお願いします。
もう少しだけ、復習にお付き合いください。




