R-027.0427.0855 踏ん切り
基地塔部の宿舎フロアに到着、継目と合流する。
「もう行っていいのか?」
「問題無いそうだ」
「……そうか」
「なんだ黎次、暗い顔だな。目つきの悪さに拍車がかかっているぞ」
「お前なら分かるだろ」
「そうは言いながらもあの提案だろう?あんなことを言うなんて意外だったぞ。みんなも同じ印象だったはずだ。黎次も先を考えているんだなと。だから全員賛成した」
「苦慮の末だ」
「お前が言うほど、子どもではないと思うが」
「……」
「悩みの種は彼女の父親絡みか?」
ふーん察しが良い。
「どうせ何か言われてたんだろう。娘をよろしくとかなんとか」
お前えすぱーか?
「全部含めて、あの提案をしたんだろう」
「まぁ」
「だったら腹をくくれ」
「……分かってるよ。馬尾先生も言ってたからな。迷ったときは揺れる尾を追えと」
「意味が分かるとキモチワルイ語録だな。普通に決心してくれ」
「名言なんだ」
「悪影響が出ているようなら漫画の没収も辞さない」
「職権乱用やめろ」
「職務の範疇として解釈可能だ」
「人権侵害だろうが。道徳捨てんな」
がみがみ言い合いながら、エレベーターに乗った。
泊った部屋に向かっていくと、警護をしていた二人が魚石アスカと談笑していた。
「お疲れ様っス~。継目さん」
「千葉隊長、お疲れ様です。なんだもう副隊長も来たのか?」
喜助はいつも通り明るいが、髙濵の姉御は不服そうである。異物が混ざってきたと言わんばかりだった。俺だって副隊長なのに……。
「二人ともご苦労。魚石さん、先ほども確認しましたが、今お話よろしいですか?」
「はい」
魚石アスカの表情は昨日とは違い、どこかすっきりしていた。
「では、場所を変えましょう」
お疲れ様です。
思ったより進まなかった。
鮫浦副隊長の言動がきもいかもですが彼は正気です。
次回の更新は3月7日です。
よろしくお願いします。
魚石ちゃんの処遇は果たして。




