R-027.0426.2203 決
身を乗り出してヤズさんが覗き込む。
「おいおい、ウチの警備もザルだな」
「そっか!それで疑り深くて、人を一切入れない、継目さんの自室を班長会議に使ってるんスね」
喜助が得心いったというふうに頷いている。お前結構ずかずか言うのな。
「用心深いと言え」
できる男、千葉継目は事実を否定しなかった。苦虫は嚙み潰してたけど。
「ぷっ……失礼しました。盗聴器を仕掛けた人間の絞り込みも行いますが、監視カメラもありませんので犯人を捜すのは難しいと考えられます」
比女が失笑しかけたが、なんとか立て直した。
「以上が現状報告だ。みんなの意見を聞こう」
継目が班長たちへ問いかける。
「はい」
静寂を破り、手を挙げたのは燈台さんだった。
「燈台班長」
「盗聴の問題はすぐに解決できません。犯人捜しは現状不毛です。ポイントは魚石アスカの処遇と考えます」
「みんなはどう考える?」
継目の問いに全員が頷く。
「同意だな。では燈台班長、意見はあるか?」
「はい、それでは」
燈台さんは改めて姿勢を正し、話し始めた。
「わたくしは、地下に帰すべきと考えます。狙われているのなら保護したいのは山々ですが、我々には人員的余裕がありません。希少なNコードホルダーと聞くと是非とも加入していただきたいですが、リスクは避けるべきと考えます。地下での犯罪件数はゼロですし、彼女のためにも帰っていただくのが得策でしょう」
燈台さんの鋭い視線が継目に向く。
「おれも同意見だな。魚石アスカが火中の栗だ。お引き取り願おう」
ヤズさんは賛成。
「……みなの決定に従う」
汀班長は委任。
「黎次はどうだ?」
「んん……」
継目に問われ、言葉に詰まる。
比女と喜助は心配そうな顔をしていた。アイツらは優しいとこあるからな。
あーやっぱこうなるか、複雑だなぁ。でも時間も無いしなぁ。
溜息を一つ吐いて、重い口を開く。
「そうだな、俺は……」
お疲れ様です。
ちまちまと話が動いているでしょうか。
日付も変わらず来た襲撃のせいで、模擬戦どころではありません。
次回も通常通り一週間後、2月14日の更新予定です。
よろしくお願いします。
魚石ちゃんの処遇はいかに。




