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R-027.0426.1843 質疑


「継目、俺が訊いてもいいか?」

「……言葉を選べよ」

 よし、許可が出たな。

「実戦経験はあるか?」

「ありません」

「武道の心得は?」

「学校のクラブ活動などで少し触れていますが、心得というほどではありません」

「さっき力になれる分野と言ったが、どんな貢献ができる?」

「民間人の保護、敵性のあるものと戦闘が可能です」

「どうやって?」

 彼女が少し考え込む。今まで即答だったのに。

「……身内以外に言うのは初めてなのですが、このペンダントから大鷲を呼び出すことができます。その子と共に戦います」

 彼女は、胸元で光る鳥籠型のペンダントを見せた。

 喜助が身を乗り出して見る。

「読めない文字列、確かにNコードっスね……つまりこのペンダントに入ってる金色の石がNプロパティで……扶桑剣以外で初めて見たなぁ……魚石さんはこれが使えるんスか?」

「はい」

 静寂が流れる。

 Nコードホルダーではないからという理由では断れなくなった。

 しかし。

「確かに募集しているとおり、うちは人手が足りていない。でもダメだ」

「!!」

 彼女の顔に初めて動揺が走る。

「なぜですか!?お役に立てると思います!訓練にもついて行きます!」

「なぜそこまで前線部隊にこだわる?」

「それは……」

「いきなり経験の浅いやつを入れても現場には出せない。まずは養成所でもなんでも、自衛くらいはできるようになってからじゃないと面倒は見れん」

「今だって、自分の身は自分で守れます!」

「実戦経験もないのになんで分かるんだ。甘いこと言ってるやつから死んでいくんだぞ」

「まあまあ二人とも落ち着くっス!黎次センパイ、大人げないっスよ~」

「言い方に気をつけろと言ったはずだぞ」

 白熱しかけたところで、二人が割り込んできた。

「黎次センパイの言うことは一理あるっス。誰かを守りながら戦うのはとても難しいってのは分かるっスよ。でもまだ魚石さんの実力とか分かんないスよね?」

「……それはそうだが」

「そこで!センパイと魚石さんに提案があるっス」

「?」

「?」

 二人で首をかしげてしまった。

 こういう喜助からなにか言い出す時はいつものニコニコ顔もうさんくさく見える。継目もなんとも言えない顔をして聞いている。

「模擬戦、してみないっスか?」

「「模擬戦?」」

 思わず返した言葉が彼女と重なった。

「黎次センパイに前線部隊として、魚石さんの力量を測ってもらうっス。併設の修練場があるのでやるならそこで」

「やります」

 いや答えるの早すぎるだろ。

 チャンスをものにしようという意気込みや良しだが……。

「黎次センパイはもちろんいいっスよね?」

「待て急すぎないか、いったん」

「あれ~怖いんスか~?」

「んなわけあるか。やるよ」

 やれやれと継目が首を振る。

「言質とったっスよ~。継目さんも、いいスよね?」

「両者の合意があるなら、構わない。だが明日以降でな」

「わたし、今からでも行けます」

 いったいなにがこの娘を駆り立てるんだ。

「魚石さん、今日はお疲れでしょう。修練場の手配もありますし、明日改めて予定を組むということでいかがでしょうか」

 気が逸る彼女に継目が優しく提案する。

「……分かりました」

「それでは、明日の十時から修練場を借りられるようにしましょう。よろしいですか?」

「はい」

「よし、今日はお開きに。魚石さんには寮棟で一部屋用意してあります。係りの者が案内しますね。それから、Nコードの話は他言無用で。あらぬ噂が立たないように」

 継目が話をまとめて解散になった。


お疲れ様です。

面接がいったん終わりました。


次回は通常通り3日後、12月17日投稿予定です。

よろしくお願いいたします。


模擬戦、ワクワクする響きです。

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