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最果ての村の学校

メアリーのタックルから一夜あけ、母さんの手料理を食べた後、俺たちはベルクカイザーに集合することにした。


学校長への挨拶や後輩への指導も含め、ベルクカイザーに寄ることにしたのだ。


学校に着くと僕以外のメンバーが揃っていた。


「遅いぞ。バーン。」


青髪でおかっぱ頭の白衣を着た調合士である、マギーが声をかけてきた。


「いやぁ…申し訳ない。メアリーが離してくれなくて…本当もうわけない。」


僕がそう謝ると、周りからまたか!と笑いが起こった。


「まぁ、ならしょうがないんじゃない?バーンお兄ちゃん一筋のメアリーにせがまれたんじゃねー」


と言って、悔しそうな顔をしているマギーに、おもしろそうに声をかける金髪ロングに赤目、モデル体型で、ちょっと胸が残念なマチル。


「ま、そういことだから、許してください。他のみんなもごめんね!そんじゃ、学校に行きましょう!」


マチルがマギーを抑えてくれたので、皆んなに謝りつつ、ベルクカイザーの門をくぐった。


門をくぐると、さまざまな場所で、実習が行われているのが目に入った。


僕たちが一期生の時は、先生が3人しかおらず、11人が皆んな一緒に様々な勉学や実習を受けていたが、僕たちが3年生の頃から、指導ができる大人が増え、さらには噂を聞きつけた近隣の村や町からも、学生が集まったため、4年目からは、4年生の学生が専門職に分かれ、授業や実習を受けることが可能になった。


その結果、大きな敷地が必要となったが、辺境の村であったため、敷地の問題は簡単に解決した。


「なっつかしいなぁ…俺らが卒業したのってついこの間なのになぁ…日が経つのは早いもんだ…」


「じじくさ…」


「んだとこのやろー!」


「あんたのセリフが悪いんでしょー!!!」


といきなり取っ組み合いのケンカが始まった。


顔は同じ髪の色も一緒。


違うのは性別だけ。


男の子はカイル、魔法のエキスパートであり、成績はいつも一位か二位になる程の秀才であり、ルックスもさることがら、裏表のない性格で、男女ともに人気がある。


一方の女の子はイリア、魔術のエキスパートで、双子の兄であるカイルといつも成績を競っている。


カイルが唯一負けるのがイリアと言っても過言ではない。


そして、兄とは違い魔術を得意とする。


カイルの双子であるためルックスが良いが、性格はクール&ビューティで完璧主義者であるため、カイルとは良く意見がぶつかり、その度にケンカになる。


ちなみに、2人とも学校でファンクラブがあり、カイル派とイリア派で分かれるらしいが、その両方に所属するメンバーもいるらしい。


「はぁ…また始まったよ… サーシャお願い…怪我しても回復するから思いっきりやっちゃって!」


「…コク…」


黙ってうなづく、小柄な少女、サーシャ。


武器は持たないが、手にはプロテクターをしている。


「…アクセラレーション…」


サーシャが呟くと、足がほのかに光出し、その瞬間、取っ組み合っている2人の間に入り、思いっきり殴った。


カイルとイリアは磁石の反発のようにそれぞれ反対側に飛んだ。


「「サ、サーシャ!」」


殴られた2人は大声をあげて講義をするが、サーシャは聴く耳を持たない。


「…ここでケンカする2人が悪い…」


そういうと、サーシャはある方向を向いて指を指した。


カイルとイリアがゆっくりとそちらを向くと、とっても怖い笑顔のタニアがいた。


2人の顔に戦慄が走った。


「お二人とも…こんな所で喧嘩なんて…ほんとうに"おバカ"さんですね。」


タニアがおバカを強調して言うと、2人は講義をしようとしたが、すぐにタニアの圧に潰される。


「ほんとうに…2人はおバカさんですよねー…自分たちの立場を忘れて、こんな所で喧嘩なんて、ほんとうにみっともない…」


タニアは回復魔法のエキスパートで、11人の中で唯一回復ができる貴重な人材だ。


神は青ががかっていて、ストレートのロング身長は平均的だが、凶暴といえるであろう胸がタニアの魅力をいっそう高めていた。


しかし、タニアには11人しか知らない裏の顔があり、僕以外はタニアには逆らえないのである。


もちろん、僕も逆らうつもりはないけど。


そうしてるうちにタニアの説教が終わり、2人はメンタルが崩壊したのかその場で項垂れている。


2人は気づいていないが、サーシャが殴った傷はタニアの回復魔法により、いつの間にか消え去り、元の綺麗な顔に戻っていた。


「バーン!お待たせしました。それでは改めて行きましょう!」


タニアが戻ると、僕たちは校舎に向かって歩き出した。


カイルとイリアの足取りが重かったのは言うまでもない…

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