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誕生日

「レイ~そろそろご飯よ~!降りてきなさ~い!」

「はーーい!」

おっと、そろそろ準備が終わったようだ。

なになに~?ってかんじでいこう。

俺、優しいもの。


「母様ー 僕の部屋の掃除終わりましたー!」

「ありがとう、レイ。助かったわ。

そして驚きなさい。なんと今日は…

御馳走よ!!」

「俺も頑張って狩ってきたんだぞ?」

「わぁ…ありがとうございます。父様、母様!

ん?あれ、ジュリとランは?どこですか?」

「っぁ…っ…ど、どど、どこだろう~…?ねぇ~?と、とと父さん」

「そ、そそそ、そうだにゃっ…なっ!」

噛んだな…今噛んでたな。

なるほど…ジュリとランはサプライズのなにかに一枚噛んでいるのだろう。


「ふぅ~ん。そういや今日は忙しそうですが何かあったんですか?」

「こほん、な、何も無いぞぞぞ」

咳払いをして落ち着いたかと思ったらまた焦りだしている。

さては嘘がつけないタイプだな。

ふふふ、面白そうだ。

もう少し攻めてみよう。

「母様も父様も少し変じゃないですか~?

喋り方がおかしかったり汗も沢山かいてるし」

クレアもロベルトも肩をビクッと震わせる。

「それにジュリとランは何してるんだろうな~」

クレアとロベルトの額に大量の汗が出る。

本当におもしろいな。

さて、意地悪はここまでにしよう。


「まぁいいや。それより母様、ご飯が楽しみです!早くジュリとラン来ないかな~」

「そそ、そそそ…それもそうね!そうだわ!

ジュリとランも遅いわねーっね、ねね、ねぇあなた」

「そ、そそそ、そうだな!ジュリェ…ジュリとリャン…ランも遅いなー」

いや噛みすぎだろ。

ロベルトって焦ると結構噛むのな。

覚えてこおう。いつか使えそう。

ちなみに噛み方が少し可愛い。


「と、とりあえずレイもあなたもご飯の準備手伝ってくれるかしら?少し量が多くて」

「あっ、ああ、あぁ、そうだな。ほら、レイも」

「はーい」




ーーー



「さ、席に座りましょ」

「いやぁ~ぎょう…豪華だな~」

まだ焦ってんのか。

それにしてもさっきから可愛い視線が半端ないな。

さてはサプライズのタイミングを見計らってるとか?

くぅ~想像しただけで可愛い!


「それにしてもジュリもランも遅いですn…」

「せーっの」

「「アレイ!5歳の誕生日おめでとう!!」」

「うっ、うわぁぁぁ~!!」

「兄さん、誕生日おめでとう」

「お兄ちゃん!お誕生日おめでとうっ!」

「うわぁっ。びっくりしたよ、2人ともありがとう!」

「やったーお兄ちゃん驚いたって!」

「ふふっ。練習した甲斐があったな」

悶え死にそう…許容量越えてるって、キャパオーバーだって。

「レイ、おめでとう!これ、母さんからよ。」

「わぁ、これは…本…ですか…?」

「そうよ。聞いたわよ~私が病気のときにものすごく物欲しそうな顔で父さんにおねだりしたそうね」

「うぅ……」

「それでね、父さんも言いすぎたって申し訳なさそうに話してくれたのよ。だから誕生日プレゼントはこれにしようって思って」

「父様…」

ロベルトは恥ずかしそうにそっぽを向いた。

耳の辺りが少し赤いが気にしないでおいてあげよう。

「俺からはこれだ。レイ、あの時はごめんな。

言いすぎてしまって。あと、誕生日おめでとう」

「いえ、僕も無神経でしたから」

なんだかロベルトは少し泣き出しそうな顔をしてる。

なんていうか、ロベルトって可愛いんだな。

俺にそういう趣味は無いが。


「これは…剣ですか?」

「あぁ、お前もまだ小さいから短剣ではあるが町で買った上等なものなんだぞ」

「わぁ、すごく綺麗ですね。切れ味もすごそうです。」

「そうだろう?俺も仕事の合間にちょくちょく探していてな。おかげであの町の武器屋は全て網羅しているぞ!」

「父様~?楽しそうですね」

「あっ…!こほん。すまんな。つい、テンションが上がってしまって。

それと、おめでとう」

「父様、ありがたいですが2回目ですよ?」

「いいんだよ。おめでとうなんて沢山言ったもん勝ちだ」

「ふふっ、それもそうですね」

たまには珍しく良いこと言うじゃないか。

少し見直した…ことはないな。


「お兄ちゃ~ん!ジュリも、ジュリもあるの!」

「ジュリ、僕もでしょ」

「どっちもありがたいけど喧嘩はダメだろ?

2人のプレゼント、お兄ちゃん早くみたいな~」

チラ、チラ。あっ可愛い。

特にジュリが嬉しそうな顔してんのが良い。

ランは頬を膨らましながらも少し笑ってるのが可愛い。

「じゃあせーのでやろうね。分かった?ラン」

「いいから早くやろう」

小声で何か言ってら。可愛いから良いんだけどさ。

「せーの」

「「おめでとう!」」

「わぁ~ありがとう。この花は何かな?」

「それはね、ジュリとね、ランとね、外で遊んでたときに見つけたの」

「僕がこれいいんじゃないかって言ったんだ」

「違うもん!ジュリだもん!ランは見つけただけだもん」

「違うー!僕が言ったの。ジュリ拾っただけなの」

「もぉ!2人共喧嘩しないの!レイが困ってるでしょ?」

「ははは、母様いいんですよ。2人が僕のために考えてくれたことが嬉しいですから」

「ふふっ、それもそうね」


それにしても綺麗な花だな…

なんて名前なんだ?それに、こんな花うちの周りにあったっけ?まぁいいや。

「これ、綺麗だね。2人共、ありがとう!」

「えっへへ」

おっなでなでチャーンス。


あっ、サラサラ。どれどれ、ランは…

あっこっちもサラサラ。

可愛いんですけど。

それにしてもランはいつも頭なでなで嫌がるのにな。

やっぱ誕生日サービスかね。

いいな、誕生日。

これはランとジュリの誕生日も盛大に祝ってやらないとだな。




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