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町についた。

投稿が遅くなりました。すいまそん。

少し時間がたっただろうか。

俺は町についた。

外から見ても活気に満ちていて、賑やかな町なのだと思った。


門の前まで来るとすんなりと通れた。

どうやらロベルトはそこそこの冒険者だったらしい。

冒険者⋅⋅⋅剣士⋅⋅⋅くぅ~。つくづく羨ましい限りだ。

もしかすると俺は将来は魔法剣士になるのだろうか?

ふむ、悪くない。


町に入り、少し進むと商店街のようなものがあった。

商店街と言っても出店が並んでいて、呼び込んだりするタイプのやつだ。

そして、俺はとあるものを見つけた。


それは⋅⋅⋅⋅⋅⋅

本だ。


前世ではろくに読めなかった本。

今世ではまったく見なかった本。

そう、本だ。


そして俺はこの本を手に入れたい衝動に駆られた。

クレアの病気など、忘れるくらいに⋅⋅⋅⋅⋅⋅


もちろん俺は無一文、金がないのだ。

そして俺の知識によると、こういう異世界では本は貴重だ。

紙を作る技術もあるにはあるだろうが生産性がなく、まず印刷技術すらない。

そして、作るのに金がかかりもちろん値段も高くなるので買う人が少なくなる。


というかんじだ。

なのでこの世界には本は非常に需要がない。

だろう⋅⋅⋅⋅⋅⋅

なのでもちろん高いのだが俺はこの世界の物価などわからない。

もちろん金の価値もわからない。

これは大人に頼るしかないのだ。


そして俺は真っ先にロベルトに本が欲しいということを伝えた。


「駄目だ」

ロベルトはとても怪訝そうな顔でこちらを睨んできた。

いうものロベルトとはなにかが違う。

怒っている⋅⋅⋅のか?

俺はロベルトに怒られたことが今まで1度もないのでそんなことは今の俺には分からなかった。

「まずだ。レイ、お前は母さんが心配じゃないのか?母さんが死ぬかもしれないというのに」

「そんな、父様それは心配のしすぎなのでは?」

あっ⋅⋅⋅やばい。

流石にふざけすぎた。


パチンッ⋅⋅⋅⋅⋅⋅


「お前は母さんのことなどどうでもいいのか!?

母さんよりそんな本のほうが大事なのか?

新しく産まれるかもしれないお前の兄弟も、今まで育ててくれた母さんもお前はどうでもいいというのか?

ふざけるな!

今がどれだけ一大事だと思ってる!

俺が⋅⋅⋅っ、俺がどんな気持ちでここまで来たと思ってる!

そんなことも気にせず気楽に旅して欲しいものがあったら買って楽しそうに母さんのいる家に帰るのか?

母さんがっ⋅⋅⋅どれだけくるしい、か⋅⋅⋅知らずに⋅⋅⋅っ!!」

「⋅⋅⋅⋅⋅⋅すいません」


すぐ謝るのは社会人の癖だ。

だが俺はそこまで言われるようなことをしただろうか?

正直俺はただ単に心配のしすぎだと思ったのだが。

ちがう、俺は全く見ていなかった。

クレア⋅⋅⋅いや母さんがどれだけ大変な思いをしていたのか。

見ようともせずただ今を楽しんだ。


それはクレアが熱を出す、前のこと。



ーーー



「母様っ!なにか手伝いたいです」

「もう、レイったら。いいのよ、母さんのことは気にせず遊んでらっしゃい」

俺は手伝う、とは口で言っていたが、いつしか決まり文句のようになっていた。

こういうのは「別に大丈夫」というのは社交辞令というか、この世界にその概念があるのかは不明だが。

大丈夫は大丈夫じゃないのだ。

俺は無理してでも手伝うべきだったのか?


いや、それよりも俺はいつものように魔法を使っていたのだ。

もちろん部屋に結界を張って。

この結界は外には音は聞こえないようにもなっている。

ならば外からも音が聞こえるはずがない。


ロベルトが出掛けて、つわりで苦しい中頼るのが俺しかいない状況で出せるだけ大きな声を出しても聞こえるはずがないのだ。


もしそうだとしてそれを、ロベルトは知っていたのだろうか?

いや、違うな。

誰だって大切な人のことなら苦しい、辛いてことくらい分かるだろう。


俺は表面上いい子ちゃんぶっていたが内心俺の事でいっぱいいっぱいだった。

それをロベルトは感じとっていたのだろうか。


あぁーもう。

いちいち考えていたら逆にむしゃくしゃしてきた。

魔法使いたい。

本読みたい。

冒険者っぽいことやってみたい。


むしゃくしゃしたときは好きなことを考えると少し和らぐ。

これは日々上司への行き場を失った怒りを荷物を頼んでその中にあるプチプチで解消していた男からのアドバイスだ。

間違いない。

個人差はあるがな。


こうなると気分転換とかしてみたいものだ。

例えば、前世では行けなかったあんな店やこんな店とかに行ったりかわいいねーちゃんに挟まれたりとか。

もう、想像しただけでたまんない。

なんか色々とどうでもよくなってきた。


俺はそのままロベルトと病院へと向かった。



ーーー



病院へ着くと如何にもヤブ医者っぽいヤブ医者が待ち構えていた。

どうやらここへ来ることが分かってるような。

そんなこんじだ。


そしてロベルトがクレアの状況を熱弁したのち、ヤブ医者がうちへ来てくれることとなった。

そしてそうと決まれば早かった。

気づくとすでに町を出ていた。


そして、さっき会得した楽しいことを考えてむしゃくしゃを晴らすという技を使っていたら時間はあっという間に過ぎた。



ーーー



「ただいま帰りました。母様」

「おかえりなさい。レイ、それにあなた」

「ただいま。そこでなんだがこの人がお前の病気を診てくれるクヤブ・イシャという方だ」

おいおいおい。

流石にそのまんますぎだろ。

なんか可哀想に思えてきた。


「どうも、先ほどご紹介に預かりました。

クヤブ・イシャと申します。

以後お見知りおきを」

「あらあらご丁寧にありがとうございます」

⋅⋅⋅案外、人は見かけによらないものだな。

今頃、俺はそう思った。


「それでなんですが早速奥さんのご容態を見せてもらっても?」

「あ、あぁ。お願いします」

「では」


それからは早かった。

クレアの病気は今流行ってる流行り病だそうで、薬を毎日2条飲み続ければ1週間治るそうだ。

だがそのまんまにしておくとぽっくり逝っちゃう人もちらほらいるんだとか。


この世界は医学がそれなりに進んでいるらしい。

前世ほどではないが。

すでに流行り病への薬があるのだし。

いや、でも魔法を使が使えるんだしそれで捗っているのかもしれない。

魔法と医学の融合ってやつさ。

ふふふ、将来は科学者もありだな。


科学者といっても魔法を使って新しいやつとか発明してみたい。

大雑把だが気にしないでくれ。


それよりもよかった。

ロr⋅⋅⋅おっと失礼。

お母様がね、無事でね、良かったですよ。

本当に、マジで。

これ本気とかいてマジだし。

真剣とかいてマジだし。

別にロロ、ロリとか知らないし。


でも本は欲しかったな⋅⋅⋅⋅⋅⋅



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