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2話 異世界転生

俺は異世界に転生した……と思う。

だけど転生した、というのは本当だ。


目を覚ましたとき、目の前には2人の男女がいた。

1人は金髪で綺麗な女の人だ。

もう1人のほうはちょっと赤みがかった黄色?みたいなかんじだ。

それにしてもいかにも剣士というか強そうな印象がある。

父親だろうか?


「あなた、目を覚ましたわよ」

「おぉ。ほんとか?どれどれ」


といいながら男の方は俺を見事に持ち上げたのだ。

重いだろうに。

ん?いや転生したとするならば今は赤ちゃんなのか。

とりあえず赤ちゃんっぽくなんか言っとこう。


「あ、あぅ~……」

「おぉーよしよし。お父さんでちゅよ~」


お父さんらしい。

となると隣の女の人はお母さんだろうか。


それにしても家の雰囲気的に明らかに日本とは違うと思う。

いや、辺境の地ということもあるのか?

それにしてもなんか違う気がする。


そうなると異世界に転生したということでいいのだろうか。

だが、異世界と言っても俺が求めているのはもっとこうthe魔法っ!ってやつとかKE・N・SHI!というものが無いとなんだかなぁ。


いや、まだ諦めてはいけない。

俺が実際に見たわけではないと言うだけであるのかもしれない。


もしあるのだとすれば俺にはチート能力はあるのだろうか。

あったらいいなぁ~。

うん。

良い。魔法。


うへへぇ。

想像だけでもにやけが止まらない。

なんたって中学2年のときにはそれはそれは夢見たことさ。


ちなみに中2のときからおれは定期的に魔法が使えないかといろいろ呪文を唱えたりしていた。

まぁ、なんだ。

憧れるじゃん?

そういうのさ?


おっと状況確認を忘れていた。

なになにふむふむ。


なにもわからん。

なんせまだ赤ちゃんだし。

動けないもん。

しょうがないもん。


でもなんだろう。

目を凝らしてみると、視界にゲージみたいなものがあった。

それに⋅⋅⋅⋅⋅⋅M⋅⋅⋅⋅⋅⋅P⋅⋅⋅⋅⋅⋅?


なるほどなるほど。

これは、確定だな。

魔法のある異世界で間違いなさそうだ。


ーーーーーーーーーー



2歳の年月が経った。年月が経ち、2歳となった。

母が話しかけてくれたり、父が抱き上げたりお腹辺りにちゅっちゅとキスをしてきたり(とても気持ち悪かったので毎回足で顔を蹴っているのだが)と、愛情は注いでくれている。


それもあってや会話を聞いていて自分の名前や親の名前くらいは知ることができた。

俺の名前はアレイというらしい。

母はクレア、父はロベルトらしい。

家名はヴァイアンというらしくて、俺の本名はアレイ・ヴァイアンになるということだ。


ただ、両親達は俺のことをアレイからアをとってレイと呼んでいるので、本名を知るのに2年も掛かったわけだ。


それよりこの頃から少しずつ歩けるようになってきた。

そう、移動ができるのだ。


そして俺は、なによりもすぐに人が来ないであろう部屋に行き、魔法を使ってみることにした。


そこで俺は気づいた。

「魔法ってどうやってだせばいいんだ?」

うぅ~む。

わからん。


とりあえず念じてみることにした。

「うぅー……ん……はぁっ!!」


うむ。

なにもでない。

まぁそうだろうとは覚悟していた。


覚悟というのも、俺はなにか俺だけの特別な能力というものが欲しかったからだ。

残念ながらそんなものは無いような気もするが⋅⋅⋅⋅⋅⋅


まぁ!諦めないのが肝心だから!

諦めないの!大事!ここ!テスト!出るよ!


おっと、ついテンションがあがっていた。

まぁ、いっか。

誰もいないし。


えぇーやっぱり詠唱とか必要なのー?

いやだよぉぅ!無詠唱で魔法出したいよう!


と、駄々をこねながら魔法を出してみようとしたがなにもでない。


うむ……

あれか、ツンデレってやつか。

なるほどね、魔法ちゃんツンデレなのね。

そうなのね。

もういいんじゃない?

そろそろデレてくれたってさ。


ん?外からなにか声がする。

母ことクレアが庭の手入れをしているらしい。

水を出してるのか……ってあれ?

手から出てる?

え?魔法?使えんの?やるじゃんクレア!


となるとあれか。

魔法使いと剣士が結婚しましたみたいなやつか。


よぉぅし。

お手本見たらあれだぞ?

俺、結構できる方なんだぞ?


「えっと、手……から……水……水……流れる……ような……かんじで……っと」

なんと俺の手からは少量の水が申し訳程度に出てきた。

「で、っ!でででっ、でたぁぁぁーーー!!」

嬉しい。

こんな嬉しいことはいつぶりだろうか。

下手したら今まで一番嬉しかったかもしれない。

「やった!やった!やった!やった!」

と、ジャンプしながらはしゃいでいたら下からばたばたと足音が聞こえてきた。


あ、やばい。

はしゃぎすぎたのかもしれない。


でもだってさ!仕方ないじゃん!

魔法出たんだもん!

やっと魔法使えたんだもん!


すると扉があいた。

「レイ!どうしたの!?」

「あ、母様……」

やばい、言い訳を考えていない。


「なにもないですよ」と答えたら普通におかしいし⋅⋅⋅⋅⋅⋅だってはしゃいでたもんね。

なにもないわけないもんね。


「魔法が使えました!」と正直に言っても、この年じゃ嘘丸出しだし、いやほんとなんだけど。

なにかやばい施設に送られたりして……―はないと考えておきたい。

だって怖いじゃん?


「えぇっとー……あぁー……あのぉぅ」

「ん?どうかしたの?母さんに言ってみて?」

まずい、どうしようどうしよう。

えーっと何か丁度いい言い訳⋅⋅⋅⋅⋅⋅

「あぁ……そう……! 夢を見てたんです!」

「夢……?」

「はい!この部屋はなんだろうと入ってみたら寝てしまっていて。それで、とっても嬉しい夢をみたんです」

「あらそうなのね。ふふっ。レイは面白いわね」

「あっ、あっはは。はは」

今の無理のある言い訳を信じたのだろうか。

いや、なんか馬鹿にされたかんじがする。

だって面白いって言ってたし。

俺……一生懸命言い訳したのに……


いや、そうだ。

今、俺2歳なんだわ。

とっても嬉しい夢を見てたのー!って言ってもまだ笑って許してくれそうな年だしな。

小さいっていいな。


そんなことより、まずはここを乗り越えたことに喜ばなくては。

でも頭のおかしいし子ねと思われても仕方ないんだけどな。

一生懸命考えたにせよ流石に言い訳がひどかったよな。


でも、あれだな。

今度からは気を付けないとだな。

うん。反省だ。


ん?ちょっと待てよ⋅⋅⋅⋅⋅⋅

もしかして、俺無詠唱使えちゃった?

もしかしてやっちまった?

世界初ならぬ異世界初だったり?


うっわぁー俺やっちまったかぁ……

まぁ想像はしていたさ。

もしものためにな。

決して憧れてたとかじゃなくてな。

もしものためだ。

しょうがなくだ。


そういえば俺は魔法に気をとられていて他のことは後回しにしていた。

ここはどこなのだ?

異世界ということで地球ではなさそうだが……


周りの景色を見る限り田舎の方だな。

多分。

そうだ。

家の探索でもしてみるか。


いい案だ。

どうせ暇だし。


まずはここはどこか。

階段は登ったし、この部屋にはなにも物が置かれていない。

それにほこりなんかもたまっている始末。

2階の空き部屋ということか?


ならばまずは2階から、だな。



ーーーーーーーーーー



一通り中は見て回ったが、見たかんじこの家は田舎の家にしては結構広い方だと思う。

それにクレアもクレアだ。

それなりに広い家を1人で家事をほとんどしているのだ。

さらにはおれの世話まで。

働きすぎてそのうち倒れないか心配だ。


だが、そんなときに活躍するのがこの俺!

前世ではできていたか分からないが、今世こそ親孝行はちゃんとしないとだな。

うん。俺えらい。さすが。

ってまだなにもやってないのだが。


今こそ俺、活躍の時。

俺の本領を発揮してしんぜよう。


俺は急いでクレアを探した。

どうやら今は洗濯を干しているようだ。

よぉぅし。


「母様。僕、洗濯干してみたいです!」

「だめよ。まだレイには早すぎるし危ないわ」

「やりたいです!やりたい!やりたい!やりたい!」

「だぁーめ。嬉しいけどもう少し大きくなってからお願いしようかしら」

「うぅ……分かりました……」


ちぇっ。

なんだか逆に困らせていたようなかんじもするが……

次はロベルトのほうだ。

さっそく探してみよう。



ーーーーーーーーーー



いない。

どこを探しても、庭にも家の周りにも。

どこにもいない。

俺は探し疲れてまたクレアのとこに戻ってきてしまった。


「母様ー。父様を知りませんか?」

「父さんならさっき仕事に出かけたわよ」

「そうですか。ありがとうございます」


そうか仕事か……

夫婦そろって働き者だな。


そういえばロベルトはどんな仕事をしているのだろう。

聞いてみるか。

「母様、父様はどのうよな仕事をしているのですか?」

「んーそうね。

わるーい魔物を退治する仕事よ」

「わるーい魔物?」

「ふふ。そうよー。とーっても怖いんだからねぇ。食べられちゃうかも」

「ひぇっ⋅⋅⋅⋅⋅⋅そっ、それは嫌です!母様は僕が守ります!」

ふぅ……咄嗟に2歳っぽいかんじに話してしまった。

少し2歳にしては賢いか?

うぅむ……わからん。


クレアは嬉しいだろうが俺は少しやりすぎて自分ながら引いている。

お、おろろろろ……というのは冗談で、まぁいいかんじに取り繕えたと思っておこう。


でもクレアは真面目に答えてはくれなかった。

この見た目もあってしょうがないのだが。

わるーい魔物か……

魔物を狩って村を守る仕事とかか?

それとも食料に?

もしかすると両方?


まぁロベルトが帰ってきたら直接聞いておこう。



ふふっ。

帰ってくるのが楽しみになってきた。

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