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魔術学院の最強剣士 〜初級魔術すら使えない無能と蔑まれましたが、剣を使えば世界最強なので問題ありません。というか既に世界を一つ救っています〜  作者: 八又ナガト
第三章 最強と化物編

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エピローグ ifルート

番外編的な後日談です!

後書きに【大切なお知らせ】があるので、そちらの確認もどうぞよろしくお願いいたします!

「……さて」


 俺の放った聖剣の力は魔王の魂すら滅ぼし、無事に全てが解決した……はずだった。


 しかしながら、王都に帰還した俺たちに待ち受けていたのは、遺憾ながら見慣れた顔だった。


「ふはははは、よくぞ戻ってきたな勇者よ! 今ここで我が貴様をたお――ぶほッ!?」

「あ、ついうっかり」


 胸を張り高らかに笑う魔王の顔をぶん殴ってしまった。

 仕方ないよな? 俺は悪くねぇ。


「というか、これは……」


 そこにいたのは魔王だけではなかった。

 いつの間にか逃げたアルマはともかくとして、死んだはずのクレアス、マギサ、カテーナ、ブラッソの四人も揃っていた。


「はあ、なぜこんなことに……」

「ふふふ、また会えたわね」

「あははー、なんか気まずいね!」

「最強の筋肉だったぜ」


 ティナたちが、いつでも戦闘に入れるよう身構えているのが見える。


「なぜお前たちが生きているんだ?」

「私が、蘇らせた」

「お前は……」


 猫耳魔族、アルマが前に出てきた。

 彼女はそのまま続ける。


「私は魔族の魂を操ることができる。魔王様を復活させた時と同じ。クレアスたちが死んだ時に魂だけを集めて、蘇らせた」

「なんだと……!?」


 あまりにも恐ろしい言葉に、俺は思わず目を見開く。

 それを見た魔王が嬉しそうに跳びはねた。


「ふはは、驚いたか勇者よ! これで我は何度でもお前を倒せるのだ! はっはっはっはっは! ってぎゃー、なんかいきなり腕が取れたんじゃが!?」

「……魔硬石を器にしたから、能力は数十分の一になっている」

「なるほど」


 BGM(魔王の叫び声)を聴きながら、俺はさらなる疑問を尋ねることにする。


「で、なんでこうして俺たちの前に現れたんだ? いったん逃げて、改めて攻めてくることはできただろう?」

「魔王様がリベンジを望んだのもある。けれどそれ以上に、私は貴方のことが気になったから」

「気になる……?」


 こくりとアルマは頷く。


「私は特殊な力を持っていても、他の魔族が持っているような戦う力は持たない。貴方はその逆、戦う力しか持っていない……だから、少し気になって話してみたくなった」

「そ、そうか……」


 対応に困る発言だ。

 果たして俺はどうすればいいのだろうか。

 迷った末、とりあえず一つ行動に移すことにした。


「ユナ、ティナ、レオノーラ、ちょっと来てくれ」

「何か思いついたの、ルーク?」

「もちろんです、お兄様」

「何をするつもりだ?」

「ああ、何よりも先にやっておかなくちゃいけないことがあると思ってな」


 俺たち四人は叫び続ける魔王のもとに向かう。

 彼女はこちらに気付き、腕が一本ない状態で不敵な笑みを浮かべた。


「ほう、やる気になったか勇者よ! 我がコテンパンにしてや……あれ? なに? 待って、何をしようとしとるんじゃ貴様ら? 待て、我の体を掴むでない、変な魔力を注ぎ込むでない! な、なんなんじゃ~!」

「まあこんくらいでいいか」

「慰み者にされた……泣かないもん。我魔王じゃから」


 主にレオノーラの力を借りて、契約魔法を無理やり魔王の魂に植え付けた。

 正当防衛以外で人族を傷付けられないような契りだ。


 俺は改めて残る四人の魔族に視線を向けた。


「で、お前らには何か目的があるのか?」


 代表としてクレアスが答える。


「今の僕たちはアルマに使役される身だ……それに、魔王様ですら君たちに勝てなかった以上、抗う気はもうない」

「そうか」


 彼らの対処には悩むところだが、ふとここで妙案を閃く。

 改めて処分するだけは何も生み出せはしない。

 だから。


「そうだ、お前ら。やることがないんだったら俺たちに協力しろよ」

「協力?」

「ああ。せっかくだからさ、人族と魔族の垣根をなくそうと思うんだ」

「なっ……!」


 俺の言葉に周囲の者達が皆一様に驚く。

 その反応は予想できていた。


「仮に戦妨滝(フリーデントーア)がなくなってしまえば、瞬く間に人族と魔族はまた戦争になる。けど俺はそんなのごめんだ。争いをなくせるのなら、その方がよっぽどいい。今ここにいるのはそれぞれの陣営で最強クラスの力を持っている。そんな俺たちが協力すれば、今の話も夢物語ではない」


 その提案に、真っ先にアルマが頷いた。


「やる。貴方がどんな世界を目指しているのか、私も見届けたい」

「そうか、なら頼む」


 それが皮切りとなり、他の者達も意欲の差はあれど賛同を示していく。

 魔族側はアルマの意思を尊重したと言ったところか。

 残すはたった一人。



「で、魔王、お前はどうする」

「うむ。その一つになった後の世界は我が支配してもよいのか?」

「良い訳ないだろぶっ殺すぞ」

「さっそく争いが生まれそうなんじゃけど!? ま、まあよいぞ! ……よし、勇者と別れたらさっそく世界征服の契約を立ててやろうぞ(ぼそっ)」

「させるわけないだろ。魔王、これからのお前の居場所はずっと俺の隣だ」

「ゆ、勇者……(ぽっ:顔を赤く染める:照れ)」

「何かしでかそうとするたびに泣かすからな」

「勇者~~~!!!(ボッ:顔を赤く染める:憤怒)」



 その後、物理力で魔王の賛同も勝ち取った。

 何はともあれ、これから待ち受けているのは苦難の日々だろう。

 それでも俺たちは世界に平和をもたらすため、努力することを誓うのだった。




 FIN

ここまで本作をお読みいただきありがとうございます!

本作を読んで少しでも面白いと思っていただけたなら、


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何卒よろしくお願いいたします!



【大切なお知らせ】


先日より新作

『外れギフト【無の紋章】で世界最強に ~元世界ランク1位の転生先は、1000年後のゲーム世界でした。えっ? スキルを無限に使えるのは俺だけなんですか?~』を投稿しました!

https://ncode.syosetu.com/n2228jg/


タイトルの通りですが、VRMMORPGで世界ランク1位の主人公が1000年後のゲーム世界に転生したのち、持ち前の技量やゲーム知識で無双するお話です。


現在、ジャンル別日間ランキング1位!

大変面白い出来になっていますので、ぜひご一読ください!

それからもし気に入っていただけたなら、ブックマーク追加やポイント評価などで応援していただけたらさらに励みになります!


一つの作品の人気が出てくれれば、本作を含めた全作品への執筆モチベーションに繋がります。

ですのでどうか、皆さんも応援よろしくお願いいたします!!!


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