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魔術学院の最強剣士 〜初級魔術すら使えない無能と蔑まれましたが、剣を使えば世界最強なので問題ありません。というか既に世界を一つ救っています〜  作者: 八又ナガト
第三章 最強と化物編

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39/63

39 準備を終えて

お待たせしました!

『第三章 最強と化物編』開幕です!

 ミアレルト領での戦いから数日後。

 俺、ティナ、ユナの三人は王都に戻った、

 そして第一学院の学院長室にて、アリアに様々な報告をしていた。


 説明を聞き終えたアリアは納得したように一つ頷く。


「なるほど、よく分かったわ。魔族の脅威も隣国の状況も。そんな中でよく死者を一人も出すことなく領民を守ったわね。貴方たちはよくやったわ」

「ありがとうございます」

「それにしても、まさかこの学院から魔族の味方をする者が出るとはね……」


 魔族の味方する者とは、当然ヌーイのことだろう。


「アイツは今、どうしてるんですか?」

「魔族化の後遺症を癒すため、当分は治療に専念してもらう予定よ。今回の件が周囲に広まったら混乱は免れないでしょうから、しばらくは表沙汰にしないでおこうと思うのだけど、理解してもらえるかしら?」

「分かりました」


 特に文句はなかったため頷いて返した。

 するとアリアは安心した表情を浮かべた後、すぐに話を続ける。


「それじゃ、今回の件についての報告はこの程度でいいわ。貴方たちを呼び出した理由はもう一つあるの。一週間後から始まる新学年についてよ」


 何か新しい知らせでもあるのだろうか?

 そう疑問に思う俺の前で彼女は言う。


「兄のアートアルドさんとミアレルトさんに関しては第一学院に転入後、各学年のCクラスに所属してもらいます」

「そんな! それでは私とお兄様が共に授業を受けることができないではありませんか!」


 アリアの言葉に、なぜかティナが真っ先に反応した。



「仕方ないわ、それが転入時の規則だもの。第一学院のことを詳しく知らない二人にも説明すると、第一学院では学年ごとにA~Cの三つクラスがあるの。成績上位者からAクラス、Bクラス、Cクラスという風にね。二人の実力はAクラスに匹敵すると思うのだけれど、転入の規則上そういうことになっているの」

「いずれAクラスに入ることはできるんですか?」

「もちろんよ。授業で良い成績を残せば上のクラスに上がれるようになっているわ。ぜひそれを目指して頑張って」

「はい」

「分かりました!」



 俺とユナはこくりと頷く。

 けれどティナは頬を膨らませたままだ。

 指で軽くつつく。


「ティナ」

「……せっかくお兄様と一緒に学院生活が送れると思いましたのに」

「それなら心配ない。しっかり授業を受けてすぐに上にいくからな。それともティナは俺が信じられないか?」

「っ、いえ、そんなことはありません! ええ、そうですとも。お兄様ならあっという間にAクラスにまで来てくれるはずです! 私は心待ちにしておりますね、お兄様!」

「ああ」


 思っていた以上にすぐ元気になった。

 ほっとしたのもつかの間、なぜか次はユナが頬を膨らませる。


「むぅ……なんでだろう。ルークとティナが仲良しなのは嬉しいはずなのに、胸のあたりがもやもやするよ」

「あら、ミアレルトさんはあの二人を見て嫉妬しているのかしら?」

「し、嫉妬!? ち、違います、別にほっぺをつつかれるのを見て羨ましいなだなんて思っていませんから!」

「……自白しちゃってるわね」


 とりあえず聞こえないふりをしておこうと思いました。



 そんなやり取りの後、俺たちはそれぞれ寮に戻り新学年への準備を行う。

 ようやく第一学院での生活が始まるのだ。

 異世界からこちらの世界に戻ってきて初めて抱いた目標が叶おうとしている。


 既に魔族とも遭遇した今、俺の期待を超える実力者が現れる可能性は低い。

 ……そうは頭で理解しつつも、ワクワク感は消えない。

 新しい日々を期待している自分がいる。


「さあ、やるか!」


 そうして俺は意気込みを口にするのだった。

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