38 エピローグ
エレジィおよび洗脳された隣国の魔術騎士団との戦いの後、俺たちはすぐさま被害の確認と王都への連絡を済ませた。
ミアレルト領の魔術騎士たちの活躍により、負傷者はいたものの死者は一人もいなかった。
魔族とその配下たちに襲われたことから考えると、十分な戦果であるといえるだろう。
「死者が出なかったのはルークたちのおかげだよ」
被害が軽微で済んだことを確認した後、ユナは俺とティナに向けて安心した笑みでそう告げた。
そう言ってもらえるのはすごくありがたいことだ。
「隣国の方たちも無事に洗脳が解かれたようですし、上々の出来といったところでしょうか」
続けてティナが満足げにそう呟く。
俺がユナのもとに向かった後、ティナは上級魔術で彼らを凍らせ無力化していた。
エレジィ討伐後にその魔術を解いたところ、ティナの言った通り彼らの洗脳は解け、自分たちの状況に戸惑っている様子だった。
魔族の配下としてミアレルト領へ攻めてきたという事実がある以上、彼らも何らかの罰を受けるかもしれない。
ただ今回の事情を聴いて、ユナを含むミアレルト領の者たちは彼らも被害者だと考えているようなので、そこまで重たいものにはならないだろう。
「そうだな。何はともあれ被害は最小限に抑えられたんだし、それについては喜んでいいだろ」
「ええ、お兄様の言う通りですわ」
「そうだね、ルーク」
そんな感じで、ひとまず今回の一件についての振り返りを終える。
数日後には、王都から調査のため王国魔術騎士団がやってくる手はずになっている。
今回の戦いで得た情報をそれまでにまとめておかなくては。
俺たちが王都に戻れるのは、その対応をした後になるだろう。
「それにしても、やっぱりルークはすごいね」
「えっ?」
突然のユナの言葉に、俺は首を傾げる。
「だってね、あのエレジィって魔族は本当に強くて。私が手も足も出ないで絶望していた時に颯爽と現れて倒しちゃうんだもん。だから、本当にすごいなぁって思って」
「ええ、お兄様ですから」
「なぜティナが自慢げなんだ?」
なぜか俺より嬉しそうにしているティナにツッコミを入れてから、ユナに向き直る。
「けど、そんなエレジィに立ち向かい続けていたユナだってすごいだろ。魔心があったからっていうのもあるけど、それでも自分や父親を守ることができたのはユナの力だ。ユナはもっと自分を誇ってもいいと思う」
「……ルーク」
「むっ、いけません、いけませんよこれは。ユナ様、前から申し上げているように、そう容易く私のお義姉さまになれるとは思いこまないことですね」
「お前はいったい何を言っているんだ」
「そそそ、そうだよ! べ、別にそんなつもりじゃないよ! 違うからね、ルーク!?」
「わ、分かってる。だからそんなに動揺するな、ユナ」
頬を赤く染め、必死に否定するユナを見ていると変な勘違いをしそうになるから止めてほしい。
別に照れているわけではない。
本当本当。
それからも、俺とティナとユナの会話は賑わいながら続いていった。
ユナを魔族の脅威から救い、この時間を勝ち取ることができてよかったと。
心の底から俺はそう思うのだった。
このエピローグをもって、第二章完結となります。
第三章もすぐに投稿開始いたしますので、楽しみにお待ちください!
それからここまで読んでくださった読者の皆様、ぜひ↓の大切なお願いにご協力ください!
【大切なお願い】
読者の皆様に大切なお願いがあります。
第二章完結まで連載してきた本作ですが、連載開始からかなり経過したためか、ここ最近はランキング下位が続いています。
ランキング上位に浮上できるとしたら、『第二章完結』のこのタイミングがラストのチャンスだと思っています!
そこで本作を読んで、
「第二章おもしろかった!」
「ルークの活躍がもっと見たい!」
「第三章も楽しみ!」
と少しでも思っていただけたなら、
本作をランキング上位に押し上げるため、ぜひ広告下のポイント評価欄「☆☆☆☆☆」を「★★★★★」にして応援していただけないでしょうか?
ランキング上位に入れば、より多くの方に本作を知ってもらう機会になりますし、多くの読者様に読んでいただけることで作者の執筆モチベーションもすごく上がります!
第二章でも皆様に面白い物語を届けられるよう、ぜひご協力ください!
不躾なお願いにはなりますが、何卒よろしくお願いいたします!!!




