自動ルビ振りアプリは便利♪
私、今までルビを振るのが億劫でした。
童話ジャンルのものにはいちいちせっせとルビを振っていたのですが、億劫で、億劫で……。
全年齢対象やR15のものには基本的にキャラ名ぐらいにしかルビをつけていませんでしたが、ほんとうはふりがな振りたいなぁと思っていました。
以前にルビを話題にしたエッセイを投稿した時、『小学校5年生が問題なく読める程度にルビは必要』というご意見をいただいたので、そうしたいなぁと。
でも、億劫だったんです。
自動でルビを振ってくれるアプリとかないかなぁと思っていました。
あったんですね!
試しにさっき使ってみたばかりなんですが、これは便利!
文章をそこに入れて、『ふりがな』ボタンを押すだけで、自動でルビを振ってくれます!
しかもふりがなレベルが小さいお子さんレベルから大人レベルまで選択できるのが便利!
たとえばR15の作品に『愛子は巨乳を揺らして艶めかしく笑った。男の下心を刺激するような目で彼を見つめる。一目で誘われていることがわかったが、罠だと知りながらも健介は抵抗することが出来なかった』なんてルビを振りすぎてうるさがられることもない!
これから私、これを使うようにします!(๑•̀ㅂ•́)و✧
機械なので間違ったルビを振られることもたまにありますし、オリジナルの固有名詞とかには高確率で面白いルビをつけられますが、そこは『なろう』の便利機能『一括変換』を使えばよし!
ちなみに私はアンドロイドですが、iOS用もありますし、PC用ももちろんあります。お勧めですよ!
っていうか、もしかしてみんなはこんなの既に知ってた? 誰でも知ってるものを遅れて知って私、はしゃいでるんだろうか? だとしたら恥ずかしいな(^o^;
ちなみに過去に投稿した自分の作品に自動でルビを振ってみましたので、それを最後に載せておきます
小学校5年生レベルに設定して、ボタンを一押しするだけで、一瞬でルビをつけてくれます。小5レベルだとちょっとルビがうるさいかな……?
丸かっこで閉じてあるところは自分でルビを振っていたところです。それ以外はすべて自動でついたもの。
ちなみに原文は段落のはじめを字下げしてありましたが、それは解除されるようです。
↓こんなふうになります。ご参照くださいm(_ _)m
わたくしのようなお婆(ばば)の思い出話を聞いてくださるなんて、貴方様はお優しい方ですね。
ああ、桜の花びらがすべて散ってしまいましたね。土の上にとろけるようになっていた花びらたちも、その姿をすっかりと消してしまいました。
花の美しさを見るとあの方を思い出してしまいます。
とうに四十年も前になりお亡くなりになられたあのお方は、いまだわたくしの中では若々しく、生きていらっしゃるのでございます。
今はご覧の通りわたくしも人間らしく生きることが出来ておりますが、幼少の頃はそれは酷いものでした。
わたくしは京の都のはずれの小さな村で、農民の家の娘として産まれました。
きょうだいは六人おりました。いえ七人だったかしら? もうよく覚えてはいないのでございます。
何しろわたくしは九歳の時に、口減らしのために叡山の奥へ捨てられたのでございますから。
わたくしはきょうだいの中で、一番の役立たずだったのでございましょう。体が弱かったわけではありませんが、人に交わることがどうにも苦手で、家の手伝いなどすることもなく、いつも野に出て遊び回っていた記憶ばかりがございます。
顔の右半分に醜い痣がありました。それを他人に見られることが恐ろしく、いつも誰もいない野原を駆け巡り、生き物達と遊んでおりました。危険な動物はそのへんにはおりませんでしたので、野良犬や野良猫、野良鹿などと一緒に遊び、兎や鼬を追いかけ回し、蛇を捕まえたりして遊んでいたのです。誰も見ていないところではお転婆な、人のいる場所では気の弱い子でしたね。
顔の痣のせいで遊女として売ることも出来ず、労働力にもならないわたくしは、ある日父に連れられて山へ薬草を取りについて行かされました。
町へ野菜を売りに行くというのならついては行きませんでした。顔の痣を、知らない人に見られて笑われるのは苦痛でしたから。でも山へ行けることはとても魅力的に思えたのです。どんな植物があるのだろう、会ったこともない珍しい動物に出会えるだろうか。そんなわたくしの性格を父は利用したのだと思います。
「この山の上のほうに金色に輝く薬草があるという。それを見つけて取って来てくれ」
父にそう命じられ、わたくしの目は輝きました。
なんでも一人でやる性格でしたから、父を山道において、山の斜面をよじ登って行きました。着物が汚れることなど気にもしません。どうせ襤褸(ぼろ)の一張羅でしたし、わたくしの目にはまだ見ぬその金色の薬草だけが浮かんでいたのでございます。父が待つ場所への帰り道すら考えてはおりませんでした。その実、父はその後すぐに逃げるように帰り、わたくしは捨てられたのだということに気がついたのは、それからすぐのことでございました。
どうせ自分など、野原を駆け回っていない時は死んでいるも同然だと思っておりましたので、死ぬことはそれほど怖くはありませんでした。そうは思っておりましたのに、家族に捨てられたということは、死ぬことよりも辛く、金色の薬草などないということに気がついてからも、わたくしはどんどんどんどん、泣くように山の斜面を登って行きました。
上のほうに杣道がありました。道に立つと、四方を見回しました。木が鬱蒼と茂り、下界は見えません。
わたくしは岩の上に腰を下ろし、歌を唄いはじめました。その時につくった滅茶苦茶な歌をです。どうせ死ぬのなら最期ぐらいは誰かのお役に立ちたいと思ったのです。歌につられて熊さんでも出て来て、そのお腹の糧になれればと思っておりました。
「其(そ)は誰か?」
いきなりどこからか、人間の男の声が響き、驚いてわたくしは立ち上がりました。
「童子がこのような所で何をしておる?」
「誰!?」
わたくしはどこから聞こえてくるのかもわからないその声に、上から下まで見回しながら、大声で尋ね返すしかありませんでした。
「おまえは誰!?」
すると天から人が降って来たのです。
山伏というものをわたくしは見たことがございませんでした。ですので、最初に見た時には天狗様かと思ってしまいました。頭に黒い頭襟(ときん)をくっつけて、錫杖(しゃくじょう)を持った男の人が、わたくしの前に降り立つと、優しい目をされているのに、厳しい声で仰いました。
「捨てられたか。不憫よのう」
わたくしは熊に出会うよりも恐ろしくて、逃げ出そうとしました。
「待て。このさらに上に鞍馬寺(くらまでら)という寺がある。そこまで行けば、食べ物を貰えるであろう」
そう言い置いてその山伏は、どこかへ赴かれる途中だったのでしょう、案内することなくわたくしを置いて、下のほうへまた飛んで行かれました。
わたくしはまだまだ高い山の上を見つめました。家に帰ることはもう考えていませんでした。山伏のように飛ぶことは出来ませんでしたので、また山の斜面を登りはじめました。